不思議な体験・伯父の夢
投稿者:朝野シュウカン (1)
私が小学1年生の頃に体験した不思議な話です。
その日はよく晴れた日で、いつもどおりの平日。昼休み、私は鉄棒の練習をしていました。元々鉄棒は得意ではなく、前まわりもできないほど運動音痴な私。しかし、周りの友達が楽しそうに鉄棒をしているのを見て、自分もできるようになりたいと必死に練習していました。
時を忘れて鉄棒の練習に熱中していましたが、予鈴がなりました。子どもたちは遊ぶのをやめて、一斉に教室へ戻ります。私も早く戻らなくてはと思い、鉄棒から降りようとしました。しかし、その瞬間に手を滑らせて鉄棒から落下してしまいました。
息もできないほどの痛み。落下したままの格好でうずくまることしかできません。動くことはおろか、助けを呼ぶ声すら出ません。ただただ、涙だけが流れ、当時7歳の私は何もすることができませんでした。
友達はみんな教室に戻ってしまって、グラウンドには私一人きり。絶望的な時間が過ぎていきました。
そのとき、たまたま見知らぬ6年生のお兄さん、お姉さんが私を見つけてくれ、おぶって保健室まで連れて行ってくれました。そのあとは記憶が曖昧で、救急車で運ばれたのか、親が連れて行ったのかわからないのですが、気が付くと病院にいました。
私は全治1ヶ月の骨折をしていました。お医者さん曰く、「あと少し折れる場所が悪かったら、骨が皮膚を突き破って生命にかかわる怪我だったかもしれませんよ」と。
その言葉を聞いて、私は血の気が引く思いがしましたが、付き添ってくれていた母親はなんだか不思議そうな表情をしていました。
しばらくして母親が教えてくれました。
「あのね、あなたが骨折したあの日の朝。伯父さんから電話があったの。あなたが危険だって。あなたに、気をつけろって伝えてくれって。急にそんな電話がきたものだから、どうしてそんなことを言うか聞いたのよ。そしたら、亡くなったおじいちゃんおばあちゃんが、伯父さんの夢に出てきて、あなたが怪我をして命に危険が及ぶかもしれないって伝えてくれたんだっていうのよ。半信半疑だったんだけど、伯父さんがあんまり真剣に言うもんだから、あなたに伝えようとしたんだけど、あなたはもうすでに学校に行ってしまっていて…。夕方、帰宅してから伝えようと思っていたのよ。でも、それでは遅かったのね、その日のお昼にあなたは骨折してしまった。」
怪我をした当日の朝、そんな出来事があっただなんて全く知らなかったので、本当に驚きました。
「亡くなったおじいちゃんおばあちゃんが守ってくれたのね。あと少し場所が悪かったら死んでいたかもしれないってお医者さんに言われたとき思ったわ。おじいちゃんおばあちゃんのおかげで、あなたは死なずに済んだんだって。」
と、母は振り返っていました。私もそう思っています。亡くなった祖父母に命を守ってもらった不思議な話です。
怖く無いけど良い話です。
見守ってくれるてるなんて羨ましい。