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ヒトコワ

菅井の人さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

心霊スポット帰り
短編 2022/10/23 23:44 3,592view
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俺が大学生の頃の話です。
大して学校にも行かず、毎日友人ら数人と遊び歩いていました。
その日も俺を含めたAとB、そしてCの四人で夜のドライブをしていました。
その頃は心霊スポットに行くことが俺達の中でブームになっていたのです。
女の子の話やギャンブルの話で楽しくドライブをし、心霊スポットに着きました。
そこは初めて訪れた廃屋で、森の奥に立つペンション跡地でした。
壁にはツタが絡まり、屋根は半分ほど崩れています。
雰囲気あるな、なんて話をしながら懐中電灯で外観を照らし、中へと入っていきました。
噂では壁一面に血の跡があるなんて聞いていましたが、そんな事は無く普通の廃屋です。
あらかた探索し終えて帰ろうかという事になり、俺達は車へと乗り込みました。

俺が運転手で助手席にB、後部座席にAとCが乗車しました。
ただ廃屋に来ただけなのに皆は満足そうでした。
気の知れた友人と少し怖い雰囲気が楽しめればそれで良かったのです。
山道を抜けた先にあるコンビニに行こうという事になりました。
その山道の途中、ポツリと公衆電話が置いてあるのが見えました。
普段は気にも留めませんが、珍しくそこに人がいました。
サラリーマン風の背広を着た男で、反対車線である俺達に向かって片手を振っていました。
「あれ、乗せてほしいんじゃないか?」
Aが指を差しました。
生憎この車は四人乗りです。

「乗せれないけど、向こうにコンビニあるって教えようぜ」
そう言って俺は車を止めました。
そうすると、その男は片手を振ったまま近づいてきました。
その瞬間です。
「早く!早く車出せ!出せって!」
Cが急に大声を出して座席を揺らしてきました。
俺は何が起こったのか分からず困惑しながらもアクセルを踏み込みました。
コンビニまでの車中は異常なほど静かでした。
コンビニに車を停め、Cに何があったのか聞いてみました。
「お前ら見えなかったのかよ」
「だから何がだよ」
Cは何度も来た道を振り返りながら言いました。

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コメント(3)
  • なんか夜中に拝見したらゾッと怖くなってきた。

    2022/10/24/05:30
  • こわいてすね。

    2022/10/24/20:55
  • ヒトコワだけど本当に人なのかも怪しい…

    2022/10/29/19:21

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