不思議な能力
投稿者:山彦餅彦 (2)
短編
2022/10/20
00:22
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私は幼少期、不思議な能力がありました。予知夢を見たり、幽霊を見たりする事がありました。
ある日、母親の運転で車に乗って学校から帰宅していました。その時何故か、些細なことで母親と私は大喧嘩をしました。
私は余りにも頭に来て「お母さんなんて死んでしまえば良いのに」と強く頭の中で叫んでしまいました。
次の瞬間、凄まじい衝撃が私達の車に走りました。交差点で信号を無視した大型トラックが、私達の車に衝突したのです。
私は完全に意識を失いました。そして、不思議な夢を見ました。何もない真っ白な四角い部屋の中に、白いワンピースを着た私と瓜二つの女の子がそこに居ました。
怯えて何も言えない私に彼女は言いました。「お母さんは要らないの?」
声まで私にそっくりです。私は恐ろしくて泣きだしました。
女の子は「お母さんは要る?要らないの?」重ねて聞いてきます。私は震えながら「要る」と答えました。
するとその女の子は「お前の力と引き換えだよ」と告げ消えました。次の瞬間、私は病院で目を覚ましました。
隣に母が居ました。九死に一生を得たのです。今でも覚えていますが、安心して目から涙がこぼれ落ちました。
代わりにその日以来、不思議な能力は完全に失ってしまいました。
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