祖母の家で聞こえる音
投稿者:茅茅 (1)
これは私が小学生だった頃の話です。
お盆の季節に祖母の田舎に母と二人で遊びに行きました。毎年の恒例行事だったのでとても楽しみにしていたことを覚えています。
お墓参りを済ませ、近所の人も集まって楽しく食事をするなど、楽しい時間を過ごしました。
深夜2時頃。私がぐっすり眠っていた時に起こりました。
隣で眠っていた母は外から物音が聞こえ、うとうとしながら目を覚ましました。
夏の暑い日だったので、窓を開けて寝ていたんですが、意識がはっきりしてくるとすぐそこで「カンカン!!!」とトンカチで鉄板か何かを叩くような激しい音が聞こえます。
こんな時間に何事だ?と窓から顔を出して外を見渡しますが、何も見当たらない。
音はやまず、深夜には似つかわしくない激しい音が町内中に響き渡っていたそうです。
これだけ大きい音であれば、他の誰かが起きてきたり異変に気付くはずなのに、外は静まり返った中カンカンと音が響くだけ。
母は段々と怖くなりました。
すぐ隣で寝ていた私は起きる気配もなく、もしかして自分にしか聞こえていないのでは?と思ったそうです。
寝室を出て、母は祖母の部屋をのぞきました。
祖母は布団で横にはなっていたものの、起きていました。
「母さん、この音はなに?カンカンってこの音、聞こえるよね?」
「うん、聞こえるよ」
祖母にも聞こえていたんだと、母は安心しました。
「この音どこから聞こえるの?こんなに大きい音なのに・・・誰も気づいていないんだろうか?」
そう母が言うと、祖母は
「あんたにも聞こえるんだね、これ」
と言ったそう。
祖母は昔からいわゆる霊感がとても強く、人間や動物の霊が、霊だと認識しながらはっきりと視える人でした。
「最近、同じ時間に鳴るんだよ。でもそのうち収まるから。」
祖母の口ぶりから、やはり他の人には聞こえていないんだと思った母。
母はよく、占い師や霊感のある人に「あなたは霊感が強すぎて生きている人とそうでない人の区別がついていないのかも」とよく言われたそう。自覚はないものの、祖母と母は二人で心霊現象を体験していたのです。
その後、本当に音は止みましたが真相は何もわかっていません。
この話を聞いたのは、自宅に戻ってからでした。
もし祖母の家でこの話を聞いていたら、夜眠れなかったかもしれません。
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