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タマさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

子供の頃にみた雪女の話
短編 2021/02/20 11:57 1,498view

私の子供の頃に住んでいた家は雪国にありました。
その日は大雪が降り、いつにも増してかなりの雪が降っていました。父と母と兄弟で川の字で畳の部屋で眠っていたのですが、その日は珍しく、夜目が覚めてしまったのです。普段、そんな時間に目覚めることはないのですが、その日は何故か目が覚めてしまったのです。部屋にかかっている時計をみると、夜中の2時ごろでした。

ふと、隣で寝ている弟の足元に、誰かが座っているのに気が付きました。最初は母かなと思ったのですが、よく見ると見たことのない女性でした。
長い髪の毛で、真っ白い着物を着ていました。そしてその女性は、ずっと弟に目を落としていたのです。

子供ながらに、とても不思議な感覚に襲われました。確実に知らない人が寝室に座っているのです。しかも、微動だにしません。
だんだん、興味が湧いてきて、ここで自分が動いたら、どんな反応をするだろうと思って、寝返りをうつふりをして、近くまで転がってみました。
すると、彼女の近くに行くにつれ、冷気を感じました。また、ドライアイスのような白い煙りのようなものも体から発せられていることがわかりました。これはちょっと怖い、やはり人間ではない何かではないかと思って、少し顔を見てみると、真っ白な顔に黒目のない真っ青な目をしていました。そして目があってしまったのです。とっさに顔を背けました。
すると、「きゃー!」という女性の声がして、ドアがバタンと閉まる音がしました。振り返ると、もうあの女性はいませんでした。

私は怖くなって、その後に母親の布団に入って眠りました。
両親に翌朝その話をしましたが、何の弟も聞こえなかったといっていました。
後日、ある妖怪図鑑を見ると、雪国では雪女が出ると昔から伝えられていると知りました。もしかして、あれは雪女だったのかもしれません。私たち家族に何か伝えたいことがあったのでしょうか。何故、弟の枕元にいたのか、謎のままです。

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