今から12年前。
高等学校の遠足で訪れた浅草。
東京に来た私は東京の街の外観や景色を記念に残したかったのか、
その時に持参したデジタルカメラで写真を撮っていました。
そして遠足が終わり数日後の休みの日。
部屋で1人ゆっくり撮影した写真を見返していました。
ふと1枚の写真をズームアップにした時に、
遠目の写真では見えなかった「何か」とはっきり目が合いました。
今まで無かった体験に全身が一瞬でヒヤッとし、
先程までの寛いでいた時間は一変、緊張感が走りました。
1人で部屋に居るのが怖くなり、デジタルカメラの電源を切り、母の居るリビングへ。
恐怖心を和らげるために、母に心霊写真が撮れたことを伝え、
写真を見てもらうと、母もはっきりそれが見えたようでした。
一瞬のことでしたが、それは記憶に残り、夜眠る時は恐怖していました。
何が映っていたのか?
後日、明るい時間帯に昨日見た写真を見返しました。
写真の構図は左手にデパート、右に雷門が映り込んでいました。
雷門前にある金龍山浅草寺と書かれた石碑と一緒に立っている柳の木。
その柳の木の中に向かって写真を拡大していくと、
その中に居る誰かと目が合います。
一見、人だと感じましたが、人ではありません。
人の目の大きさではないテニスボールくらい異様に大きな両目。
ボサッと垂れる長い黒髪。
髪の長い河童のような風貌をした女性に見えました。
柳の木の中心部、茂みの中にひっそりと隠れ住んでいました。
そして、はっきりと目が合います。
写真はその時に削除し、今は手元にありません。
ですが、妖怪や霊という存在が存在するのは確かなのだと実感しました。
柳の下には霊が居ると聞いたことがありましたが、
それに近しい存在が柳の中に住んでいたのです。

























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