恐怖の狛犬
投稿者:ぴ (414)
私は一度、家のことでむしゃくしゃして、罰当たりなことに神社にいた狛犬の像に八つ当たりしたことがありました。
私はそれに落書きしたのです。そのせいなのか、その日の夜に長い長い夢を見ました。
それは私が神社に行くところから始まります。時刻はなぜか真夜中でした。
周りを見渡してみると、いつもあるあの狛犬の像がありません。
私がその像を探していたら、後ろから何か荒い息が聞こえてきて、突然タックルされて私は引き倒されました。
とっさに私はタックルした何かを振り払おうとしました。
相手は小型犬みたいでした。
歯をむき出しにして私に襲いかかってきたその犬は、まるで私を食い殺そうかとするような獰猛な顔をしていました。
私は必死になってその犬から逃げるのですが、どこに走っていってもその犬は私を見逃さずにずっと追いかけてくるのです。
どこに隠れても逃げられないので、私は神社から離れて走って走って逃げました。
神社の外に行けばなんとか逃げ切れるかもと思いましたが、その犬は神社から離れても執拗に追いかけてきます。
限界まで走って体力がどんどん奪われ、もう逃げられないというくらいにその犬に追い詰められました。
そしてすぐ傍まで迫ってきて、「かみ殺される」と覚悟した瞬間に私は冷や汗びっしょりかいて布団の上で目を覚ましたのでした。
そして手の平を見てびくっとしました。あの狛犬の落書きがなぜか私の手にびっしり書いてあったのです。
私は目を覚まして、すぐに手を洗いました。でもその落書きはぜんぜん落ちません。
ものすごくあの落書きを後悔しました。
夢の中の犬は、私が前日落書きしてしまった神社の狛犬とそっくりでした。
そして朝起きて見覚えのない落書きが手の平にあるのです。
私は恐怖を感じて、すぐにあの狛犬の落書きを消しに行きました。運よく誰にも見られずにこっそり消すことができました。
私の手の平の消えない落書きは、その後しばらくして徐々に薄くなってそして自然に消えていきました。
とても不思議ですが、私はきっと神社の狛犬の怒りを買ったのでしょう。
すぐに消しに行って許してもらえて本当に良かったと思っています。
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