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ヒトコワ

かたばみさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

鳩の家の主
短編 2022/07/11 23:24 1,447view
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私が小学生のころ、近所に鳩を大量に飼っている家がありました。そこはみんなから『鳩の家』と言われていて2階の部屋は鳩専用の小屋になっていて必ず16時の鐘が鳴る時に集団で空を飛ばせていました。

ここの家主は頭が狂っていて鳩を大量に飼っているのは食べるためと噂されていましたが、私はその家主を一度も見たことがなく、専業主婦だった母に聞いても会ったことが無いと言うのです。

子どもながらの好奇心には凄まじく、近所の子と何度か覗いたり、肝試し感覚で玄関まで行ったりしましたが人の気配がありませんでした。

この頃からここは空き家なのでは?と思っていましたが、16時になると必ず扉が開いていて鳩達は空を飛んでいます。だんだん鳩の家にも興味が薄れた頃、クラブ活動で帰りが遅くなってしまい17時頃の薄暗い中家まで帰宅していた時です。何故かその日はその時間に鳩達が飛んでいて何かを探しているように見えたのです。

気になった私は足を止めて鳩達を見ていました。すると一羽の鳩がこちらに近づいてきます。その後を続くように他の鳩も自分の方へ飛んで来るので焦った私は走ろうとしました。しかし、突然手を掴まれたのです。振り返ると知らない男の人が立っていました。

その男の人に『離してください!』と言ってもブツブツ言っていて離してはくれません。よく見ると掴んでいないもう片方の手に首の無い鳩が、、血をポタポタ流していてピクピク動いています。

反ベソをかきながら腕を振り払い一目散に家に走りました。男の人は追いかけてきませんでしたが、『一緒に食べよう!食べようよー!』と大声で笑いながら言っていたのが怖すぎて一心不乱に走りました。

家に着くとすぐ母親に話しましたが、笑って相手にしてもらえず夢でも見たのだろうと言われました。

その出来事から数日後、鳩の家は解体されていました。

近所の方や母に聞くと家主はとっくの昔に亡くなっていて、空き家に鳩が住み着いてしまっていたそうです。近所の方がクレームを入れに行ったのがきっかけで判明し、取り壊しになったそうです。

あの男の人はだれだったのか。噂されていたのはあの人のことだったのか。家が取り壊されてから噂は聞かなくなりましたが、今でも印象に残る出来方でした。

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コメント(1)
  • フランスの人?

    2022/07/12/09:59

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