大好きなまりちゃん
投稿者:水琴 (18)
当時小学生低学年だった私は、祖母の家に住んでいた祖母の姉のまりちゃんが優しくて大好きでした。
まりちゃんは子供がおらず、私を実の孫のように可愛がってくれていました。歳せいか足が悪く歩くのはゆっくりでしたが色んな話をしながらよく一緒に散歩をしていました。
ある日の明け方私は不意に目を覚ましました。
すると寝室と襖でしきられた隣のリビングの窓がガラガラと開く音、そのあとゆっくりゆっくりとした足音が聞こえました。私は「泥棒が入ってきた、どうしよう、親に言わないと…」と思いつつ怖くて声が出ませんでした。
そうして気がつくともう一度眠りについていました。
起きてすぐ私は母に明け方の体験を話し「今朝泥棒が入ったかも、怖くて知らせることが出来なかった。ごめんね。」と伝えました。
母は窓の鍵が掛かっていることを確認し「マンションの4階だから、泥棒じゃないよ!夢でも見たんじゃない?」言いました。私は妙にリアルな記憶で夢とは思えませんでしたが、4階に泥棒が入るわけないと自分に言い聞かせ無理矢理納得して学校へ行きました。
帰宅すると母から「まりちゃんが亡くなったって連絡があった。今日の早朝だって。あなたが今朝言っていた話、もしかしたらまりちゃんが最後の挨拶に着てくれたのかもしれないね。」と言われました。
言われてみれば泥棒だと思った足音は妙にゆっくりゆっくりだったのです。
現実か夢かよくわからない不思議な体験でしたが、今でも私はあの時まりちゃんが私にだけ特別に挨拶に来てくれたのだと思っています。
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