奇々怪々 お知らせ

不思議体験

ゆゆゆさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

団地の部屋
短編 2022/07/05 21:31 1,893view
0

※これは実体験のためあまり怖くないです。また私自身まじの0感なため(なんなら現在寺&墓地の隣に一人暮らし中)参考にならないかも。

私には11歳年上の姉がいる。

姉と私が子供の時とある地方の団地に住んでいた。
母はシングルマザーで仕事が忙しく、よく祖母と祖父が家に来てくれていた。
その日は珍しく日中だというのに母がいて、居間のテーブルに私と並んで座っていた。
よく覚えていないがケーブルテレビのアニメ(たぶんイニシャ●D?)を一緒に見ていた気がする。
ふと何かが気になって廊下の方に視線をうつす。
居間に隣接された廊下を挟むと、正面に洗面所、右手に姉の部屋、左手に寝室という作りになっている。
その廊下に私が目線を向けたとき、白い服をきた女の人が見えた気がした。
正確にいうと、白いワンピースのような布を身に纏った人間のふくらはぎから足先にかけてが見えた。

家には私と母のふたりしかいないはずなのに、姉の部屋に向かって消えていく後ろ姿をぼーっと眺めては恐怖を感じずにほおけていた。
なぜか分からないけれど何か綺麗というか、神秘的な感覚になった気がする。
そのあとは正面に向き直り、またいつのまにかテレビに夢中になっていた。

夕方姉が帰ってきて皆でごはんを食べている時、
「そういえば姉ちゃんって今日は一日家におらんかったんよね?」
と聞いた。
姉はそうだよ、とだけ答える。
すると母がすかさず「ああ、そっか」と。
なんと母もトイレに行く際に、女性の後ろ姿のようなものが廊下を歩いていくのを見たのだそう。
私たち2人は姉がいないというのを分かっていたのにも関わらず、目撃したときには何も不思議に思わなかったらしい。

本来なら「不審者?」とか「見間違いかな」等と思うはずなのに、人がいるという認識はしていても特に気に留めていなかったのである。
その夜は姉妹揃って怖くなってしまい居間に布団を敷いて3人で川の字になって寝た。
たしか廊下に面した扉の一部がすりガラスになっていて、そこから顔が見えたらどうしようとか、いきなり声が聞こえたら、など妄想してはなかなか寝付けなかった気がする。
昔のことだからあまり覚えていないけれど、たぶん結局なにも起きなくて気づいたらいつの間にか寝ていた。

私はその後もとくに変な体験はしなかったけれど姉は色々あったようで。
幼少期から体が弱くよく入院していた私は、家族が泊まりがけで付き添ってくれていた。
そんな日は姉が友達を家に招いてはみんなに泊まってもらっていたそうだけれど、いつも誰かがつかまるとは限らず、たまに1人で寝る時があった。
誰もいない家で高校生の女の子が一人で夜を過ごす。
普通に考えればよくあることかもしれないが、そんなとき姉は決まって金縛りにあったのだそう。
誰もいないはずなのに声がしたり金縛りにあったり。
今考えれば大変申し訳ないことをした。

1/2
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。