LINE
投稿者:狐の嫁入り (6)
短編
2022/06/13
17:29
3,058view
「そうか、それにしても何かこれ、監視されてるみたいで嫌だ、」
友人がそう言いかけた時だった。
「見てるよ」
──ガタッ。
突然天井の方から音が聴こえ、一同一斉に上を見上げた。
「な、何今の声……?」
長女が青ざめた顔で呟く。
すると父親と友人が立ち上がり階段の方へと向かった。長女や母親も怯えた様子で後に続く。
階段を上ると、暗がりの中、奥の寝室の扉が不自然に開いていた。
「おい……」
父親が言うと、友人が振り返り固唾を飲んで頷いた。
二人が扉に近づく、すると扉の隙間に僅かな影がチラリと動いた。
「うわっ!」
友人が驚きの声を挙げるのと同時に、父親が扉へと駆け寄った。
ドアノブを捻り一気に開く。
明かりをつけ部屋の中を見渡すが誰もいない。
隠れている様子もなさそうだ。
「警察呼びましょう貴方、やっぱり誰かいるのよ!」
母親はパニックになりヒステリックに叫んだ。
長女がその様子にすっかり怯えている。
「そうだな……騒ぎになりそうだし娘も帰って来るから一応LINEしとくか……」
「分かった、じゃあ警察には、」
「あれ……」
父親が不意に声を挙げた。
「どうした?」
友人が訝しげな顔で振り返ると、スマホを見ていた父親の顔が固まっている、明らかに動揺している様だ。
「どうしたの貴方?」
「お父さん?」
一同が見守る中、父親が震える手でスマホを皆に見せてきた。
スマホの画面にはグループチャットの画像が表示されている。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 11票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。