夜中の行列
投稿者:マツシタ (2)
短編
2022/06/18
12:42
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母「○○ちゃん、守ってあげるからね。大丈夫。」
覚悟を決めた母に頭まで布団を被せられました。
『ザクッザクッザクッ』
庭の砂利を誰かが歩いています。
もう駄目だと思いました。
その時父が「俺が見てくる」といい、起き上がりました。
寝室のカーテンの隙間からそうっと覗きます。
父「何もないよ。」
そう言って父は再び布団に戻りました。
母「はあ、良かった。」
しばらくすると、またお囃子の音が聞こえ、だんだんと西の方向へ遠ざかっていきました。
それから父と母と私は緊張の糸が途切れたたからか、すぐに眠りに落ちました。
翌朝、父と母に気になっていたことを尋ねました。
私「庭の砂利を踏みしめる音がしたけど、うちの庭には高い塀があるよね。
あれを一瞬で飛び越えるのは無理があるし、飛び越えたとしても大きい音がするはずだよ。」
そう言うと父は、「何か動物だったんじゃないか?」と言いました。
しかし、その表情は固く、何かを隠しているようにも見えました。
父はカーテンの隙間から一体何を見てしまったのでしょうか。
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