また、神社やお寺に頼んだこともあったそうです。
しかしこちらも「お祓いをするならまずはゴミをなんとかしないと」やら「そもそもウチは除霊なんかやってないから」という答えが返ってくるばかり。
神社やお寺にどうにかできないならどこに頼めばいいんだという気もします。
あるいはもう神社仏閣でさえどうにもできないくらい、霊的にひどい状況になっているのか……
しかも、この心霊スポットは進化を続けています。
最近ここに山姥やターボババアが現れるようになったというのです。
とはいえ近隣住民の多くはその正体を知っています。
それはゴミ溜めの近所に住みながら唯一引っ越さなかったＫさんです。
Ｋさんは60代の女性ですが、もう先も長くないんだし怖いものもないと言いオバケにも不法投棄の業者にもひるむ様子を見せません。
護身用の草刈り鎌と愛車のボロい軽トラと共に夜な夜な心霊スポットを監視しています。
そしていざロクデナシが見つかると「警察だ！」と言いながら軽トラで業者の車の進路をブロックしたりするのです。
（マネしないでね！）
残念ながらＫさんの勇気ある努力にも関わらず、不法投棄は減っていません。
Ｋさんが捕まえた業者を警察に引き渡してもたいてい厳重注意で終わり。
悪びれずに何度もやってくる業者もいます。
しかし場所が場所であるためか、Ｋさんの話は尾ひれはひれがついてとんでもない噂になっていきました。
例えば「夜にあの道を通ると軽トラに乗ったターボババアに追いかけられる」というもの。
そして追い抜かれると軽トラで道を塞がれて鎌で襲われるのだそうです……ターボババアは普通、その身一つで走って車を追い抜かすものだと思うんですけどね。
また「道の真ん中に軽トラを斜めに停めてふさいで後から来る車を停め、そこに包丁で襲い掛かる」なんてパターンも。
まあ道に軽トラを斜めに停めるくだりは実は事実なんですけどね……
Ｋさんクラスになるとロクでもない業者の車かどうかは見ただけで分かるので、あらかじめそうやって停めておくこともあるのだとか。
ただしこれは夜には車通りのあまりない場所だからこそできることなので、くれぐれもマネしないでくださいね……
ともあれ。
今はまだ状況が良くなる兆しはありませんが、いつかは全てのゴミが片づけられ、動物たちはきちんと埋葬され、元のきれいな道に戻ることを願ってやみません。
この心霊スポットは自然に出来てしまったものでなく、人間が作ろうとして作ったも同然のものです。
であるなら、人間の手によって適切に処理されなければなりません。
ところが役所や警察には予算も人手もなく、近隣住民には専門知識も権力もなく、誰もそれをきちんと処理することができない状態です。
とはいえあそこにどれくらいの動物たちが眠らされているのかは分かりませんが、ゴミ溜めの中で乱雑に眠らされることになったらそりゃ動物たちの霊だって怒るのは当然でしょう。
それに人間にだって耐え難い悪臭が絶えないのです。
嗅覚の敏感な動物たちにとっては地獄以外の何物でもないでしょうね。
なので、行政が責任をきちんととって頑張ってくれるといいなと思います。
議員を減らせばいいんですよね