介護施設では色んなことが起こる
投稿者:コメダ (3)
そのとたん、誰もいないテーブルのところで「ズズッ」と椅子を動かす音がしたのだ。
日中は時々、まだご自分の足で歩ける入居者さんがいつの間にか出てきてびっくりすることがある。その方がいらっしゃるのかと思いそちらを見たが、誰もいない。
頭の中が落ち着いたのと、あまりにぴったりのタイミングだった。
私を心配して誰かが見守ってくれていたのだろうか。耳では声が聞こえていなくても、実は何か話してくれていて、私の脳は反応していたのだろうか?
実際はどうなのか分からないが、気味が悪い気持ちやゾッとする感覚は全くなかった。
ただ、仲のいい人にじっくり話を聞いてもらったときのような、どことなく温かい気持ちがした。
私はその2件を経験したことで、多少肝が太くなったと思う。しかし、同じ施設の違うスタッフさんのエピソードだが、これは当事者にいくら落ち着くように言っても怖いだろうな・・・ということもあった。
私は霊が目に見えたり、かなりはっきり言葉が聞こえることはないのだが、私よりも見える・聞こえるという新人さんがあるとき入ってきた。
年配の方でふんわりと柔らかい雰囲気のAさん。彼女ともう一人のスタッフが、入居者さん達の入浴の介助をしているときだった。
見えるという新人さんを仮にAさん、もう一人の入浴スタッフをEさんとしよう。
その日の入浴介助をおえたEさんが私のところにきて、「ねえ、M(私)さん聞いてよ!」と話しだした。
「あのね、Aさんが介助中にいきなり“ちょっとEさん、あの隅の角におじいちゃんがいるの見える?”って言ってくるの。え、いきなり何言ってるのって言ったら“ほら、いるじゃない、見えない?青森から来たらしいよ”って。もう誰かに聞いてもらわないと怖くて怖くてさ。」
私はそれを聞いても全く怖くなかったが、一体そのおじいさんは何故わざわざ青森から来られたのだろう。
あちらの世界にしばらくいらっしゃる、生きている人の面倒を見ておられる方は、瞬時にどこへでも行けるし、「どこ(地名)から来た」とおっしゃることは考えにくい。
他界されてから肉体が無くなって、次の生まれ変わりまで間があるから、日帰り旅行にでも行こうとされたのだろうか?
介護施設の浴室に来ても仕方ない気がするが、Aさんは「何々の目的で来たんだよ〜」等聞いたのだろうか?
介護施設では色んなことが起こるものだ。
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