俺にお前の…
投稿者:埜威 (8)
「奥さん、病気なのか?」
「ああ、□□(とても長い名前の病名。難病指定されている)だよ」
その言葉で半分の同情は消え去った。何故なら□□は本当に自分の妻の病名だ。そこまで調べあげて詐欺をするのか?詐欺にしても悪意を感じるし度が過ぎている。なので怒鳴るように
「あまり巫山戯た事を言うな。わかってるんだよ、詐欺だろ?他人の家族の事まで調べあげて失礼だ!!」
と、強めに言うと電話の向こうから
「巫山戯てなんかいない!!俺はまだ生きたいんだよ。俺達お互い一番よく知ってるだろ?だから助けてくれよ。頼むよ。俺にお前の…」
プツッ…とそこで電話は切れた。なんなんだ訳が分からない。最近のオレオレ詐欺はこんなに手が込んでるのか?
娘の受験とか妻の病名とか、そんな事まで調べてるのか?と電話が切れると怒りも収まり、今時の詐欺って凄いな。と感心する気持ちだけが残った
ここまでが私が帰宅した途端に変な電話のおかしな話として旦那がしてきた内容だ
私はこの話を聞いてゾワッと鳥肌が立った。何故旦那は平然と話しているのか。呑気にも程がある
まず、家の電話は私が独身時代一人暮しをしていた時に契約した物をそのまま使っているので電話の名義は私であって、旦那の名簿やらに載っている事は無い
次に固定電話の番号だが、当時携帯を持たない娘が友達との連絡用に契約を続けていただけで大人は携帯番号しか使っていなかった
それに娘の受験はまだしも私の病名はとても変わった名前で普通の人なら一生聞かないだろうし、一度や二度聞いても絶対に覚えられない筈だ
以上の理由を考えても電話番号と旦那の名前と私の病名が紐付けられる可能性は?
有り得ない
それが事実だとしたら、そこまで知る相手の求める助けとはなんだったのだろう。
いや、そもそもその相手って誰なんだ?
俺にお前の…その続きは?
私には嫌な言葉しか思い付かず、目の前の呑気な人がもしかしたら半年後…と不吉な事を考えてしまい不安で頭が真っ白になった
それからかなりの年月が過ぎた。半年後もその後も旦那は体調を崩す事も無く、現在も呑気で鈍感な日々を元気に過ごしている
謎の世界からのオレオレ詐欺も旦那の鈍感さにお手上げだったのだろうか
いや、ガチで何!?
謎すぎて怖い
何だったのだろう(‘_’?)
不気味です
気持ち悪いね。何だったんだろう