奇々怪々 お知らせ

不思議体験

美樹本さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

虫の知らせは本当にある
短編 2022/03/18 19:22 948view

我が家に起こった不思議な話です。

我が家の家族構成は両親と姉と私の4人家族です。当時私は大学生の春休みで家で課題に取り組む毎日を過ごしていました。

私以外の3人は仕事に行く毎日だったのですが、ある日の朝の事です。

一番早く家を出る父に続いて、普段は何気なく家を出て職場に向かう姉なのですが、なぜかその日は「なんか行きたくないなぁ仕事」と、ぼやいていました。母は「何を言ってるの、サボりたいの?早く行きなさいよ。」と特に気にしていない様子でしたが、姉は何か胸に引っかかる様子。

結局そのまま仕事に出た姉と母。その日私は1日中家の中で課題に取り組んでいました。

お昼を過ぎてひと休憩していたところ、家の電話が鳴りました。あまり褒められた話ではありませんが、当時の私は「今の時代、誰かから用事があれば個人の携帯にかかってくる。どうせセールスの電話だろ」と考えており、普段は家の電話は無視していました。

ですが、なぜかその時は無視してはいけない、これは取らないといけないと感じ、電話に出る事にしました。

「はい、もしもし…」「~病院の者です。お父様が手に大けがをしまして、今緊急手術をしています。一度こちらへお越し下さい」

電話は病院からで、工場作業員をしている父が、ドリルで手の中に大きな釘を打ち込んでしまい、手の中に完全に釘が入ってしまった。といった内容でした。

私が病院についた頃には応急処置は終わり、父と面会出来ました。

父は痛そうにしていましたが、元気な様子でした。

「やっちゃったよ、悪いな心配かけて」と苦笑いする父にホッとしたのを今でも覚えています。

夜、母と姉が家に戻ってきたので事情を説明したところ、姉は「やっぱり。今日は何かあると思ったんだ」私も「普段家の電話には絶対に出ないのに、なぜか出なきゃいけないと思ったんだ」母も「虫の知らせって、本当にあるんだねぇ。。」と3人で不思議な気持ちになりながら話した事を今でも鮮明に覚えています。

虫の知らせは身近にあって、いつ囁きにくるかわからないものです。

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