青森の城ヶ倉大橋、水面に浮かぶ顔

青森県の城ヶ倉大橋を訪れた際の出来事です。

当時の私はよく知りませんでしたがそこは自殺の名所でもあり、高い鉄橋の上から水面を覗き込むとくらくらしました。高所恐怖症の人には絶対おすすめできない場所です。

しかし季節は秋で紅葉が美しく、水面に映える山の風景にうっとり見とれていた所、何かが浮かび上がってくるではありませんか。

最初は魚と見間違えカメラを構えたのですが、どうも様子がおかしいです。

「まさか人？」

水面にゆっくり浮上してきたのは人間の顔に見えました。この高さですからもちろん性別も定かではありませんが……周囲の観光客は異常に気付かずのんびり談笑しています。

呆然と見守るうちに水面にぽこぽこ泡が弾け、ああ、生きてるんだと理解するなりぞっとしました。

もう少し浮かんで来たら完全に顔が露出する……その時、私は正気を保っていられるでしょうか？

とてもそんな自信はなかったので橋を離れてホテルに帰ったのですが、後から思い出しても不気味な体験でした。
アレは橋から飛び下りた浮かばれない幽霊だったのか…