古戦場の幽霊

あれは私が25歳の時です。
当時付き合っていた恋人とデートで古戦場に行きました。
私も彼も歴史が好きで博物館や史跡などによく行っていました。

その古戦場は戦国時代激しい戦が有った所で歴史マニアとしては是非訪れたいスポットでした。
初めて来る場所にお互い歓喜し遠い昔に思いを馳せ、あちこちで記念撮影をしました。おどけて刀で斬りかかる様なポーズで撮ったりと楽しい時間を過ごしました。

後日現像した写真には妙なものが移っていました。写真に光の玉が多く写り込んでいるのです。
決してカメラの不具合では無かったしあの時光が写り込むような事はありませんでした。

ジッと目を凝らすと何だか人の顔の様に見えます。

これは心霊写真なのだと思い至ると一気に怖くなりました。
かつて多くの人が亡くなった場所ですから今でも成仏出来ない霊が居るのでしょう。
呪われないか、悪い事が起きないかと不安になりお寺に行って除霊と写真のお焚き上げをお願いしました。

その後、私達は改めて古戦場に赴き線香と花を供え手を合わせました。
今は平和な時代になりもう戦などしなくて良いのだと心で唱え安らかに成仏出来るように祈りました。あの古戦場の霊達はきっと今でもそこに居るのでしょう。
私は度々古戦場に向かい手を合わせ魂の安寧を願います。