スペイン旅行中に消えた夏の1日
投稿者:あにま (4)
短編
2022/01/04
21:36
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ある年の8月15日、私と友人は列車でマドリードに到着し、観光案内所で安ホテルを見つけ、チェックインした。その日が8月15日というのは100%間違いはない。なぜなら、平日だからと諦めていた闘牛が開催されていたからだ。8月15日は現地では祝日で開催日だったのだ。
私は計画的に旅をするタイプで、マドリードに3泊した後バルセロナに列車で移動し、1泊してスイスのチューリヒへ行き、帰国便に乗る予定で列車も予約していた。
マドリードで確かに予定通り観光を楽しんだ。出発の朝、ホテルのスタッフが変なことを聞いた。「朝食は何回食べましたか?」「え? 3回だけど。」「ですよね。。。」それ以上何も思わず、足早に駅に行き、列車に乗ったら先客が座っている。チケットを見ると同じ座席番号。ダブルブッキングだと思って車掌に文句を言ったら、「これ、昨日のですよ」と言われて呆然。そんなはずはない。15日に着いて3泊して、朝食3回。友人も一緒だ。2人揃ってボケているはずもない。しかもホテルの朝食は3回しか食べていない。
2人とも無意識のうちに、1日が消えていたのだ。
誰に話しても信じてもらえないが、あの夏私たちは、夏の1日をマドリードで失った。
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単に切符を手配する時、1日早い切符を買ってしまったのでは?と思います。