今も戦う我が家の兵隊さん
投稿者:かがち (5)
私は幼い頃から何だか不思議なものが良く見えていました。
とはいえ、テレビや雑誌などで見かけるような霊媒師のようにはっきりと何かが見える訳ではなく、ぼんやりとあそこに何かいるなと感じる程度です。
ですが時々、目を疑うほどくっきり見える時があるのです。
人とは違うものが見え始めたのは小学生の頃からだと思います。
一番初めは自宅でした。
実家の階段を上がった場所に小さな踊り場があるのですが、そこは窓が無く、陽が差し込まない影響か常に暗く陰鬱な空気が流れていました。
そしてその場所ではいつも必ず同じものが見えました。
国防色の軍服に身を包んだ青年が立っているのです。
何をするでもわけでも無くただじっと。
しかしその眼光は鋭く、まるで何かを訴えてかけているように。
帽子に付いた五芒星が今でも印象に残っています。
幼かった頃の私はそこを通るのが怖く、2階に上がる際はいつも母と手を繋いでいたのをよく覚えています。
一度、兄弟達にその話をしたことがあるのですが兄弟達は何も見えなかったようです。
家族の中で唯一、その話が通じたのは母でした。
母曰く、「ずっと昔からあそこに立ってはるねん。何か想い残したことがあるんやろうなぁ。でもあのお兄さんは何も悪させえへんから大丈夫やで。」と。
その話を聞いてからは必ず一礼をしてから通るようにしています。
彼の願いは一体何だったのでしょうか。
我が家の兵隊さんは今もまだ戦っています。
訳が知りたいですね。