正夢か予知夢か
投稿者:綺麗なゴミ (1)
ーあぁ、この部屋にはもう1つ扉があったなぁ…。ー
白い手が出ている場所にはかつて飼っていた猫が自分で部屋を通れるようにくり抜いた小さな隙間があった。そのスキマから白い手が母の腕を掴んでいた。
ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
離れない。
離さない。
母を掴む力がどんどん強くなっている気がする。
「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ」
「たすけてごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
皆白い手がを見て叫ぶ。
誰の言葉か分からない。
何を言ってるのかも聞き取れない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
ダァァァァァァァァァン!!!!
切っていた。
包丁で。
白い手を、母が包丁で切っていた。
「準備してて良かったわね〜」母が笑いながら言った。
その後のことは皆様の想像通り。白い手は消え、扉を開けようとする音は聞こえませんでした。
恐怖で皆食欲が失われた中、母は白い手を切った包丁で鍋の材料を切り、1人でパクパクとちょっとお高めなお肉を食べていました。
その日は皆で別の部屋に集まって眠り、28日には叔母家族は自宅へ帰ってしまいました。
「いとこに連絡したら叔母さん体調良くなったって。迷惑をかけてごめんなさいだって。」
なんか勢いが怖い