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不思議体験

綺麗なゴミさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

正夢か予知夢か
長編 2021/12/28 11:39 3,692view

これは、私が実際に体験した話です。
当時、私は大学生でした。試験も無事終え、大学の寮暮らしだった私は今年こそはと思い帰省することにしました。私の実家は台所以外全て畳であるという日本家屋風の家で、年末になると親戚一同が集まります。それぞれ持ち寄った新鮮な魚やちょっとお高めなお肉を鍋にして皆で食べるのが私達の伝統でした。

12月27日、東京駅から電車で3時間と車で1時間。私は無事に実家に到着しました。駅で買ったお土産を渡し、大学の話やバイトの話などをして過ごしました。しばらく経つと玄関からタイヤが砂利をこする音が聞こえてきました。叔母家族がやって来たのです。叔母は母より2歳年下で、研究者の旦那さんと私と同い年の娘さんがいます。今年はこの家族だけが集まることになっていたので、私の実家で年末を過ごすのは下記のような人達になりました。
(父、母、姉、私、叔母、叔父、いとこ)

叔母家族も荷物整理や着替えなどを終え、お互いに近況報告や世間話などし始めました。私はスマートフォンをいじりながらいとこと話をして過ごしました。

それぞれスマートフォンに夢中になり私は母と叔母が会話している方へ行くと、こんな会話が聞こえてきました。

「最近…夢見が悪くって……。変な夢を見るの…。何かね、切ってるのよね…。私の家の包丁じゃないのに………。」と叔母が言います。
「まあ!家事のしすぎじゃない?たまにはコンビニのお弁当でいいじゃない!」と母は返事をし、話を変えてしまいました。

その時の私は、母と叔母の会話が引っかかって忘れることができませんでした。

日が沈み、そろそろ夕飯の支度をしようとすると

「待って!待って!待って!待って!待って!お願いだから!!!扉を閉めて!鍵も!窓も!全部!!この家の全部!閉めて!!!!お願い!!閉めて!!鍵!!!閉めて!!お願いだから!!!!」と叔母の怒鳴り声が聞こえてきました。

旦那さんは叔母に肩を掴まれ身動きがとれず周りにいる私の父と姉も呆然としていました。

しかし母だけは違いました。叔母に近づき目を合わせ、
「じゃあ、皆で閉めてくるから待っててね。」と言いました。母は看護師で軽症の患者から重症の人まで色々な人を見てきたからか、叔母の奇行にも動じませんでした。

母から話しかけられた私達は、全員で手分けして実家のありとあらゆる鍵を閉めることにしました。

玄関。庭に面した廊下の窓。お風呂の小窓。トイレの小窓。台所の食器棚。襖は外側からつっかえ棒を使って。

閉める。閉める。閉める。閉める。閉める。閉める。閉める。

すべての鍵を閉め、叔母いる部屋に戻りました。この部屋の扉は引き戸になっているので内側でつっかえ棒を使えば扉を閉めることができるようになっています。母が鍋の材料や調理道具を持ち戻ってきたところで引き戸を閉めました。

「これで大丈夫だよ。」旦那さんが優しく声をかけます。
「お母さん大丈夫〜?」といとこが。
私達も真似て
「全部閉めましたよ〜」
「相談とかあったら言って」
「美味しいもの食べて元気になろう!」と父、姉、私は叔母に話しかけました。

すると「これからよ…」と叔母がボソッと呟きました。

カタ…カタカタ…ガタ…ガタ…ガタンガタ…ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

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コメント(1)
  • なんか勢いが怖い

    2021/12/28/11:47

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