それからのこと。あの日からその男が現れることはありませんでした。
毎週金曜日に来ていた男は私の頭の中からほとんど記憶として消え、当時の恐怖を思い出すことはありませんでした。
ただ一つだけ、不思議に思っていたことはそのアパートに住んでから2年後に引っ越しをしたのですが、引っ越しを手伝ってくれた友人が言っていました。
「思ったんだけど玄関のドアさ、すごい外側が凹んでるんだけど何あれ。」
私は「さぁね」と答えましたが、今思えば、あの時に勢いよく叩かれたドアの痕跡だったのではないかと思えました。
今ではあの出来事の記憶は本当に少ししかありませんでしたが、当時のあの恐怖と男の睨みつけるような表情だけは忘れられません。
二度と経験したくない話でした。
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