あれは、母でした
投稿者:ぱお (4)
皆さんは「いたこ」さんを信じるでしょうか。私は信じます。
母が亡くなった頃、私は仕事でも辛い状態にありました。辞めたいと思うことも何度もあり、母にだけにはその辛いことを相談していました。
母が亡くなって、私は誰にも相談することができず、毎日泣いて過ごしていました。夢にも出てこない母と話がしたくて、いたこさんのところに行きました。
いたこさんの力が本当かどうかより、何かにすがりたかったのかもしれません。
いたこさんには、母の名前、生年月日、生前住んでいた住所などを伝え、少し雑談した程度で、すぐにお祈りに入りました。
しばらくするといたこさんの様子が変わり、穏やかに話始めました。
「〇〇(家族間で呼ぶ私の名前)、つらいな。くるしいな。」
と話し出しました。なぜ、家族間での呼び名が分かるのか…。まずはそこから衝撃でした。
「いつもソファで泣いて、ごはんも食べられないで…。お母さん、いつも〇〇の背中さすってるんだ。いつも見てるんだ。」
もうこの段階で、胸が熱くなり、涙があふれ出ていました。でも何も言えず、しゃくりあげていると、何となく背中が温かいような気がしました。
「もう少し頑張ってみてな。いつも側にいるし、ちゃんと分かってるからな。ソファで寝ないんだよ。」
うん、うん、と頷く事しかできず、声にならない声で「ありがとう。」とだけ伝えました。その後、ほんの少しだけ話をして、最後は「良かったー。」とさっきまでより優しい声で言っていなくなりました。一瞬脱力して倒れそうになったいたこさんが、すっと体を上げました。
どこに行ってしまったのか。でも、きっと母の言葉通り、きっと私を見ていてくれるはずと信じて疑いませんでした。だって、私たちしか知らないことを知っているのは、やはり母だから。
イタコはネタにされがちですが、本物のイタコもいるって言いますからね