悪夢
投稿者:破裂 (4)
短編
2020/12/30
23:39
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夜中に父が刃物で幼い妹の腹から腸を掻き出していた。それを物陰から母は黙って見ていた。私はあまりの残虐さに泣くことさえせず、母に縋りついてその光景から目を背けた。
気づくと朝になっていた。恐る恐るリビングへ向かうと、料理をする母がいた。声をかけるなり母は
「あなた汗びっしょりよ。悪い夢でも見たの?」
と問いかけてきた。そうか、あれは夢だったのか。そもそも私に妹はいなかったではないか。
リビングを一瞥した私は気づいた。
「あれ、飼ってた人間のメスは?」
「あれなら昨日の夜お父さんが捌いたわよ。途中起きてきてたじゃない。」
「えー。妹みたいでかわいかったのに。」
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