長雨が続いた6月。 俺は傘をさしていつもの道を歩いていた。
今日は遅くなった、外も暗く街灯の灯りも心許なく雨の音が響く中帰路に着いている。
そう言えば、この間どこかの店で女子高生達がここの道の噂話をしていた。
内容は「暗い夜道、この道には何が現れる」くだらない。
そもそも何かとはなんなのか? それに対して騒いでいる連中も居るが毎日ここを通っている俺はそんなもの見た事ないし聞いたこともない。
しかもこの道は人気が少なく、街灯も少ない暗い道だ
何かが現れたとしても幻覚か不審者の類に違いない。
そう言えば、まだ続きがあった。
「特に雨の日がやばいらしい。 」「どうヤバいの?」
「さっき道に何かが現れるって言ったじゃん?」
「うん」
「晴れの日は何か、がいても追いかけてこないのよね。こっちを見てるだけ。
でも、雨の日はこっちを見て追いかけてくるんだって」
「まじやば〜。ちょー怖いじゃん」
馬鹿馬鹿しい。 そもそも何か分からない物が立っているのは怖くないのか?
雨の日だけ追いかけてくる、その理由はなんなのか?
そんなことは語らずに、彼女達は次の話題にシフトしていた。
雨で足が濡れて気持ち悪い。 何故か気分も悪くなり少しイライラしてきた。
1人で、この道を歩き進めているが彼女達の話を思い出し少し恐怖を感じている自分にも腹が立つ。
早く帰りたいと思いながら歩いていてもなかなか家には着かない。
ほかの足音が聞こえてきた。 コツ、コツ、コツ、コツと歩く音、傘に雨が当たる音も聞こえる。
他の人が歩いてきたのだろう。
角から現れたのは会社帰りのOLだ。
こちらを見て悲鳴をあげて走って逃げていく。 俺はそのOLを追いかけた。
























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