修学旅行の恐怖の夜、熊本のホテルにて
投稿者:脱兎 (2)
それは高校3年の5月。長崎・熊本へ修学旅行へ行った時のことでした。
昼間は、ハウステンボスで遊んだり、グループごとに片足鳥居など目的地に出かけました。お土産買うにも、なにか浮わついたような楽しい空気感がずっとあり、それは高校生らしく楽しい時間でした。
その状況が変わったのは、熊本のホテルで部屋に分かれた時です。7名ほどの和室利用だったと思いますが、入った途端、誰かが「嫌な感じしない?」と言ったのです。
すると
「うん。するする」
「鳥肌立ってきた」
と同調する声がいくつかあがりました。
私は全く感じず、「分かる?」と隣に立っていたクラスメイトに聞くと困惑したように首を横に降ります。
少なくとも、私ともう1人は分かっていないことに安心しました。
「なにか、いるの?」
私の友人が霊感あるということは知っていたので聞いてみたら
「気持ち悪い」
と青ざめて若干震えながら言うのです。怖い怖い言い合ってた部屋の中がシーンとなりました。
その時
「キャッ」
と短い悲鳴があがりました。彼女の方をいっせいに見ると
「何か窓の外、白いの見えた」
「私も見た!」
「うわっ。見て。鳥肌すごいことになってる」
キャアキャア怖さを言い合い始めた数人のクラスメイトを、半信半疑で若干不気味さを感じながら、分からない私ともう1人は様子を伺うしかありませんでした。
そんな時です。
バタン!と、霊感のある友人が倒れました。ビクッと、みんな一瞬静まり返り、友人に駆け寄ります。
気絶したのか、目を閉じて動かなくて本当にその瞬間怖かったです。
シーンとなってる中、私が起こすと
「あー。もう大丈夫。平気」
と、起き上がりました。
その後、どんな話をしたのか、どんな行動をとったのか覚えていませんが、他のクラスの子が見学に来たりして和気あいあいの雰囲気で就寝した記憶があります。
あの、たった15分ほどの時間はなんだったんでしょうか。
見えなかった2人だけ疎外感は感じましたが、それでも良かったのかもしれません。
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