中古物件で2才の子どもにおいでおいでするおばさん
投稿者:チップスタ (5)
子どもが生まれたのを機に、アパート住まいから中古の一戸建てを購入して引っ越しした家で不思議なことが連続しておきました。
私たち夫婦は、予算の関係で中古物件をいくつもまわり、築年数が17年で比較的きれいなこの家が気に入り、購入を決断。
以前は茶色だったという外壁はレモンイエローで爽やかな印象のこの家は、内装もリフォーム済みでした。
浴槽を除いた水回りは全て新品と交換されていて、中古とは思えない清潔感もありました。
ただ、不動産会社の担当者が言うには、この家が建てられてからの15年の間に、所有者が2回変わったということでした。最初の所有者は現役を退いたため、地方に住む子どもと同居するため、この家を売却。お隣さんの話でも、とても感じの良いご夫婦だったそうです。
次の所有者も50~60代の夫婦二人での入居でした。詳細につてはよくわかりませんが、奥さんの方が神経質だったようで、家の色んな箇所に鍵を取り付けていたのです。壁紙は張り替えてはありましたが、なぜが各部屋のドア付近に釘を刺したような形跡がありました。
ごく普通の所得のご家庭だったようですが、ホームセキュリティーを設置。その名残のシールが玄関には貼られたままでした。不動産会社の方で、この家を再度売りに出した時は、別のところへ引っ越すという理由だったと聞いたそうです。
それから2年、この家は空き家状態に。所有者になるのが3番目というのは気にはなりつつも、私たちの探していた条件とぴったり合ったこの家を購入したのです。
リフォーム済みとはいえ2年間も人が住んでいなかったこともあり、家具の搬入の前に私が一人で1階のリビングを掃除していたとき、2階から足音が聞こえたようなきがしたのです。
時期が6月だったこともあり、全室の窓を開けての掃除。近所の生活音だろうと、あまり気に留めていませんでした。
掃除を始めてから3日後、少し休憩がてら和室で横になっていたときに、また2階で誰かが歩く音が聞こえてきたのです。
私は急に怖くなり、すぐ旦那に電話をかけました。旦那もやはり、気のせいだというばかり。そうこうしているうちに家具の搬入が終わり、家族3人でこの家に住み始めました。
旦那の帰りはいつも夜9時頃。それまで幼い息子と二人でリビングで過ごしていました。
リビングにいると必ずと言っていいほど、廊下とリビングを繋ぐガラスドアから誰かの視線を感じるのです。
40代くらいの女の人のような感じや、50代男性の日もあります。はっきりと目で見たことがないので、誰に話しても気のせいだと言われるだけでした。恐怖を感じた私は、入居したばかりの我が家なのに、旦那が仕事に行っている時間帯は車で10分の私の実家に身を寄せる毎日でした。
そして半年が過ぎた頃、息子は2歳になり少しおしゃべりができるくらいになっていました。
キッチンで家事をしていたとき、ふと息子の姿がリビングにないことに気づき、名前を呼びました。
すると息子がリビングにやってきてこう言ったのです。「かいだんで あそんだ」。
私が「階段で遊んだら危ないよ」と言うと、息子は「おばちゃんとあそんだ」と返答。
すぐに階段を見に行きましたが、誰もいませんでした。
「おばちゃん おいでおいでって」と息子は続けてニコニコ話します。
私の恐怖は限界に達し、家事も中途半端にして、実家へ逃げ込みました。あまりの私の様子に、我が家に母がついてきてくれ、旦那の帰りを待ちました。私はトイレに一人で行くのも怖くなり、旦那に付いてきてもらうことに。
翌朝、ゴミを捨てに外に出たときにお隣の奥さんに会い、この話をしました。
お隣さんは霊感のある方で、我が家の異様な空気は感じていたそうです。
お払いのできるお坊さんを知っているとのことで紹介してもらい、すぐにお坊さんに来てもらいました。
お払いらしいことは特にせずに、お供えを置く場所やきれいにすべきところの指示を受け、水回りには造花でもいいからと花を飾るように言われました。
どうやら2番目の所有者と2年間空き家になっていたせいで浮遊霊が住み着いているというのです。2番目の所有者の生死はわかりませんが、生霊ということもあるそうです。悪さをする霊ではないから、そのうち出ていくよとお坊さんは優しく私を諭してくれました。お坊さんから、いつもカバンに入れて持ち歩きなさいと、木でできたキーホルダーのようなものをもらいました。
お供えをするようになってから、我が家はぴたりと静かになりました。息子と遊んでいたのは2番目の所有者の生霊だったのか、今でも不思議な出来事だったなと思い出すだけで背筋がぞっとします。
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