おかっぱの喪服の日本人形

私は昔から少し不思議な体験をすることがありました。
1番最初の不思議な体験をした記憶の話です。

その不思議な体験をしたのはひな祭りの時期でした。
我が家には、少し古い雛人形がありました。
その人形は御代理様とお雛様だけの1段飾りのものです、
私は、この人形が好きではなく、人形が出てくるひな祭りの時期はあまり好きではありませんでした。

当時なぜ怪我したのか理由はもう覚えていないのですが、私は左目の上のあたりを怪我しており大きな絆創膏を貼っていました。
その傷を指差しながら意地悪7歳年上の姉が『夜中になったらあんたの傷をお人形が食べに来るよー』と言われ怖くてますます雛人形に恐怖心が生まれました。

その夜珍しく夜目が覚めた私は、隣で寝ているはずの母がいないことに気がつきました。当時父は深夜まで働いていたので父が帰ってきて母はご飯の支度をしているのかな？と思いました。
もう1度寝ようと思い寝返りをして目に入ってきた襖がなぜか少し開いていて　なんでだろう？と不思議に思っていると
何かが襖の中で動くのが見えました。よくその動いているものを見ると、それは、人形の手のように見えました。

静かに襖が開いていくのを声が出せず動くこともできず見ていました。
中なら出てきた人形は、見たこともない日本人形でした。おかっぱ頭の黒い喪服のような着物をきた人形は、襖から出てくるとすごい勢いで私の顔に向かうって走ってきました。姉が言ったことが本当になったと！！思った瞬間に記憶はなくなり次に気がついた時には朝でした。

襖も閉まっており、あれは夢だったのか？あの日以降あの人形を見たことはありません。
その日なぜか私が怖いと思う感じていた雛人形は、お雛様の首が取れていて治すこともできず処分されました。
何か関係があるのかいまだにわかりません。