その日は、地元じゃ珍しく雪が積もってた。
当時まだ小学生のガキだった俺は、朝からいそいそと近所の公園まで雪遊びに出かけたんだ。
公園に着いたら、親同伴で同年代の奴らが集まってて、そいつらと雪だるま作ったり、雪合戦したりと雪遊びを堪能したさ。
で、ちょっと疲れて一休みってベンチに座ってぼんやりしてたら、公園の入り口ら辺に足跡を見つけたんだよな。
そりゃあ、足跡なんてそこいらについちゃいるが、その時はなんか妙に、その足跡から目が離せなかった。
なんていうか…公園入り口から2、3歩入って、その場で両足揃えて、ピタッと止まってるみたいな感じでついててさ。
その辺の子供の足跡とはサイズが違うし、場所的にもおかしいし、とにかく目立つ。
当時の俺は、別にそこまで考えてた訳じゃないが、とりあえず「変な足跡だなぁ」くらいの感覚で、ぼんやりとそれを見てた。
そしたら、足跡が動いたんだ。
真っ直ぐに雪だるまのとこまで動いて、足跡が止まったと思ったら、雪だるまが崩れたんだよ。
蹴り入れたみたいな崩れ方だった。
当然、周りの奴らは何事だって唖然として、ちょっとしたら喧嘩が勃発。
「何でこんなことしたの!?」って、雪だるまそばにいた奴が詰め寄られて、「僕じゃないもん!」「嘘つかないでよ!」って大騒ぎ。
大人が止めに入るくらいには、白熱した言い合いだった。
俺はそれを聞きながら、まだ足跡を目で追ってたんだが、次は水飲み場の方に動いて、やっぱりそこで止まったんだ。
水飲み場には隣の家の兄弟がいて、蛇口にぶら下がってる氷柱を触ったり眺めたりして遊んでたんだが…急に蛇口から水が出たんだな。
もちろん、氷柱で遊んでた子は濡れて、それがまだちっちゃい弟の方だったから、ビックリして大泣き。
それを聞いて、公園内にいたその兄弟の親がすっ飛んできて、近くにいた兄を叱ったんだ。
「何でお兄ちゃんなのにイジワルするの!」
「違うよ、なんにもしてないもん!」
こっちもこっちで大騒ぎ。
公園内の空気も悪いし、何より不気味だしで、家に帰ろうとベンチから立ち上がったら……足跡が、こっちに近づいて来てるのが横目に見えてさ。
慌てて公園を飛び出した途端、車に轢かれちまった。
いや、幸い雪道で徐行してた車だったから、轢かれたってよりも、ぶつかったってくらいで済んだんだが、それまで起こった騒動で一番の大騒ぎ。
ま、今考えりゃ当然だわな。
車から降りてきたにーちゃんに「ぼく、大丈夫!?」って半ばパニック状態で聞かれ、公園内にいた大人から「なんでいきなり飛び出した!」って親でもないのに叱られ……。
なんでこんなにワーワー言われてるんだろう?って、真っ白な頭でボーっと座り込んでたら、視界の端にサクサクと足跡が近づいてきて、近くで止まって、それからハッキリと聞こえたんだよな。
「何で自分から飛び出すんだよ」
「おれが押してやりたかったのに」























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