あれはまだ自分が中学生ぐらいの時の話。
実家の敷地は農家なだけあってかなり広く、母屋も築100年は経っているがかなりデカい平屋だ。裏には小さな林があるのだが、その中にそこそこ立派に育った梨の木があった。話によれば祖母が生前植えたものとのこと。祖母は僕が生まれる前に自◯によって命を落としている。
ある日強い台風が直撃した際、梨の木の折れた太い枝が祖父の寝室の天井に穴を開けたことがあった。いかんせん身内の思い出の木ではあるが、老朽化の進んだ家に傷は影響が大き過ぎるとのことで梨の木は伐採することに決まった。
僕が学校から帰ると血相を変えた母から祖父が梨の木から落ちて怪我をしたことを知らされた。腰の骨を折ったらしく、通常高齢者の腰の骨折は3ヶ月から半年が療養期間とされているが、祖父の仕事復帰には1年近くを要した。
怪我の状況にもなまじ不可解な部分も多かったことから普段遠くで働いている伯父にも話が通っていた。仕事の合間を縫って帰省し、祖父(父)の代わりに梨の木の伐採を請け負った。ありったけの塩を木全体に振りかけ、一心不乱に皆で祈る。その甲斐あってか作業は無事に完了し、梨の木は切株のみとなった。それ以降、祖父は家の裏に原木椎茸を置かなくなくなり、家族全員極力その場には近寄らなくなった。
生前の祖母はヒステリックな人と聞いてはいるが、残された僕らが何の恨みを買っているかまでは知る由もない
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