奇々怪々 お知らせ

不思議体験

大鷹恵さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

正体不明のラジオ放送
長編 2025/10/01 20:58 772view

これは私が小学5年生の時に体験した話だ。私のクラスにK子と言う生徒がいた。彼女の両親は所謂、転勤族で主に海外を販売拠点にしている韓国系総合電機メーカーに勤めていた。余談ではあるが、彼女の両親が勤めている韓国系家電メーカーに関してはY国在住のオーディオマニアであり、ビブリオマニアであるグエン・ハン・イッチからこんな聞いたことがある。
「その韓国系家電メーカーは「低品質・高価格・詐欺まがい(ドルビー未搭載なのにドルビー搭載してると嘘の記載したり)・反日思想」で有名なんよ。Y国だけでなく東南アジア、オセアニアにも拠点に置いているけど、その悪評の所為なのか家電製品が笑えない位に売れないらしいんだ。まぁ、Y国だとソニー、東芝、パナソニック、アイワ、シャープという日本製ブランドが売れるのもあるけどな(商品なんて結局はブランド力なんだよ)。ちなみに韓国系家電メーカーの社長だけでなく社員たちの思考は完全に「大躍進政策が大成功状態」に陥っているけどね」
グエンは眉をしかめながら言った。さて、転校生の彼女は私やクラスの男子達に
「実は深夜になると変なラジオ放送が受信されるのよ。そのラジオ放送にはHな話題とかが流れるんだって~」
と今日の掃除の時間の時にラジオ放送の話をしていた(要は海賊放送もしくはミニFMって奴だ)。当然、クラスの男子達はK子の話に聞く耳を立てていた、スケベ共め・・・。ちなみに私だけでなくクラスの女子たちはK子の事をなぜか避けていたけどね。もっとも、私もそのラジオ放送に興味を持っていたので、父からソニーのラジカセ「CFS-686」を借りる。なお、私の父はかなりのオーディオマニアであった(ビデオデッキ、ラジカセ、ステレオの事なら俺に任せろ!と周りに豪語するくらいだった)。グエンとはオーディオ趣味を通じて知り合いになったのだ。昔、父やグエンが学生時代の時、BCL(短波で行われる海外のラジオ放送を受信することで、また、放送局に受信報告書を送ると放送局からのベリカードがもらえた)がブームで使っていたそうである。私は夕飯を食べた後、キッチンで父と食後に「大人の遊び」をして、入浴した後、いちごパンツを履いただけの状態で自室に閉じこもり、「CFS-686」でラジオ受信の電波をチューニングした。なお、父は「CFS-686」を高性能にカスタマイズしていると言っていた。
「こちら、〇〇放送。こちら、〇〇放送。20時になりました」

ビンゴ!私はラジオに耳を傾ける。そして、カセットテープでこの放送を「動かぬ証拠」と言う名目上、録音のスイッチを押す。

さて、ラジオの内容は韓国系総合電機メーカーに勤める会社員(営業)の愚痴であった(要はラジオ放送でよくある他愛のない人生相談番組っていう代物だ。第一、人生相談なんてどこがいいんだろ?怪談物や洋楽専門番組、アニヲタ共が喜びそうな番組をやれば視聴率がいいのに・・・)。その会社はかなりのブラック企業であり、長時間労働の上に会社員の給料も最高でも1万円(それも月給でだ)くらいであると言っていた。しかも会社のワンマン社長(韓国人)の脳みそは「大躍進政策状態」に陥っているため、まともに現状を把握していない模様であった。しかも、上司は電化製品の売り上げに関して水増しした報告ばかりしている。その売り上げに調子こいたワンマン社長は常軌を逸した過剰なノルマばかり押し付けてくる。工場勤務の労働者たちは低賃金、長時間労働の所為で勤務するのがアホらしくなったのか適当に仕事している(完全にモチベーションが低下している)。それ以前に工場の設備投資もまったくやっていないため、工場の機械等はいつ壊れてもおかしくない位、ガタガタな状態である。というかワンマン社長は会社の内情を把握していないのか、元々空気が読めない性格の所為なのか、会社のスローガンに
「3年でソニーを追い越す!」
と掲げているからだ。そして、会社が出す電化製品は「すぐ壊れやすい、性能詐欺」という悪評の所為でまったく売れず、安値にしても誰も買わない状態であった。ワンマン社長はそんなことも知らず、韓国にある自社の関連会社韓を使って国でのファミコン、スーファミ、ゲームボーイ等の任天堂のゲーム機の輸入独占販売権を入手しているのだ(そもそもこの関連会社自体、ファミコンを輸入販売する気がないくせにだ)。低賃金(月給:1万円)で会社員は嫁と娘を養っているのだという(つまり、極貧状態なのだ)。このままだと生活がヤバいので家族全員で盗みまでやるようになったという。また、会社の電化製品を横流しして反社会的勢力の方々たちに高値で売りつけていたという。ある平日、会社員は娘の通う小学校に忍び込み、教室で金目なものを盗み始めた。ちなみに女子の下着、衣服もだ。私はある事を思い出した。K子が転校してきて、二日後にクラスで窃盗事件が起こったのだ。実はもう一つ気になった事件があった。それは小学校の近くに住んでいる泥ママが失踪する事件もあったのだ(クラスメートの中には窃盗事件の犯人は近所に住む泥ママなんじゃないか?と言う話でもちきりであった)。もしかすると、この会社員一家が窃盗犯なのかもしれない。会社員の告白は続く。会社員一家による盗みが近所に住んでいる泥ママにバレてしまったのだ。盗みがバレるのを恐れた会社員は泥ママを殺害して、泥ママの死体を硫酸で溶かして、硫酸で溶けなかった部分は小学校に遺棄したという。会社員の告発に私は驚きが隠せなかった。こうして会社員の告発は終わった。告発を終えるのと同時にラジオから雑音が聞こえてきた(もしかして電波の調子か?)。私は「CFS-686」の電源を切る。私の部屋に父が入ってきた。そうして、私は父と「大人の遊び」を始めた。

次の日、K子一家が突然、失踪したとクラスのホームルームの時に担任から聞かされた。ちなみにクラスの男子の大半が昨日のラジオ放送を受信していたらしく。窃盗事件の犯人はK子一家ではないか?という憶測が飛んでいた。また、私はグエンや父にカセットテープに録音された「会社員の告白」を聞かさせた所、グエンは韓国系家電メーカーの洒落にならないくらいのブラックな内情を知って驚きを隠せなかったという。

終わり

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