私を守ってくれているもの
投稿者:アンネ (2)
今回は、私が体験した不思議なことをお話ししたいと思います。
この話は、読む人によっては気のせいだろうと捉える人もいると思いますが、私にとっては温かい不思議な体験です。
私は、幼い頃から実家の仏壇に朝と夜に手を合わせることが習慣でした。
幼い頃は、祖父や祖母と一緒に手を合わせていました。
しかし、成長するに従って朝と夜だったのが夜だけになったり、眠さに負けて、仏壇に手を合わせない日も増えていきました。
そして、大学入学を機に、私は実家を離れ、一人で生活をするようになり、そのまま社会人となりました。
働き始めてからは、仕事が忙しく、終電で帰るのは当たり前、終電を逃してしまうことも珍しくはありませんでした。
そのため、帰宅するなりベッドに倒れ込み、そのまま朝を迎えると言った生活を長らく送っていました。
そんな日々が続くなか、いつの頃からか私は自分が実家の仏壇の前に座っている夢を頻繁に見るようになりました。
仏壇には、亡くなった祖父の生前の写真が飾ってあるのですが、その祖父がとても悲しそうな目で仏壇の前に座る私を見ていました。
実際の実家の仏壇に飾ってある祖父の写真は、そんな悲しい顔はしていないので、夢のなかの私は不思議に感じながらも、その場から離れることができず、ずっと仏壇の前に座っていました。
そんな夢を毎日のように見るようになったある日のこと、その夜も同じ夢を見たのですが、一つだけ違うことがありました。
それは、仏壇に飾ってある写真の祖父が眉間にシワを寄せ、今にも泣き出しそうな顔をしていたのです。
私は写真を見つめながら、とてつもなく悲しい気持ちになり、目を覚ますと涙が頬をつたっていました。
その頃の私は、仕事のあまりの忙しさに睡眠が十分に取れていないのに加え、食事をする時間さえ省くこともありました。
そのため、日中に突然睡魔に襲われ、フッと一瞬眠ってしまうと言うことが頻繁に起こるようになっていました。
その度に、フラッシュバックのように、仏壇の祖父の写真の悲しそうな顔が現れるのです。
その祖父が今にも泣き出しそうな顔をしていたことを、今でもはっきりと覚えています。
そんなことを不思議に思いながらも、私は仕事に没頭し、今考えればおかしくなったように働いていました。
そんな生活をしていて体に不調をきたさないはずはありません。
私はある日、仕事に向かう道すがら急に目眩に襲われ、倒れてしまいました。
この日から私は4日もの間病院のベッドの上で眠り続けたのです。
その時の私は、またあの夢を見ていました。
そうです、仏壇の前に座り祖父の写真を見つめ続ける夢です。
しかし、その時の写真の祖父はニコニコと笑っていました。
私はなぜか安心感と安堵感を感じ、いつまでもいつまでもニコニコ顔の祖父を見つめながら泣いていたことを覚えています。
4日後、目を覚ました私が第一に思ったことは、「仕事を辞めよう」と言うことでした。
これまでどんなに辛くても、しんどくても、仕事を辞めようと思ったことはありませんでした。
しかし、この時は、何故だか仕事を辞めなければならないと強く感じたのです。
それが祖父との約束のような気が、不思議ですがしたのです。
怖さより、ほっこりする話だと思います。
私の父は、あまり夢に出てきてくれないな。