トランシーバーのおもちゃ
投稿者:フォレスト (1)
僕が小学6年生の頃、
親友が隣町に引っ越しました。
春休みに隣町の親友の家に遊びに行ったんですが、そこでおもちゃのトランシーバーを持って彼が通っている小学校まで探検をしようということになりました。
このトランシーバーはスイッチを入れると
「ガーーー」という音がしてボタンを押しながら喋ると相手のトランシーバーが受信するようなタイプだったんですが、おもちゃといえど電波を使っているのでたまに警察の無線のようなものが入ってきたりする事もありました。
そんなトランシーバーのおもちゃを持って彼がいつも通っている通学路を歩いて行きました。探検といっても今思えばただの散歩なんですが、当時は知らない街を歩く事がとてもワクワクしたのを覚えています。
彼が住んでいる町は坂の多いところでした。
小学校までの道のりも小学生には勾配がキツいイメージを持ちました。
生活道路と違う道に差し掛かり、そこには墓地がありました。
するとトランシーバーの「ガーーー」という音が段々高くなり
「ギィヤァァァ!!!!」
という女性の叫び声に変わりました。
しかも2台同時に。
僕たちは慌ててボタンを押し、その叫び声を消しました。
「え、今の何?」
固まる二人。
「ボタン、離してみる?」
「え、いやまた聞こえたら嫌やし、、、」
「多分もう大丈夫やろ。たまたまよ」
そんな感じの会話だったような気がします。
そして意を決してボタンを離してみました。
「ギィヤァァァ!!!!!」
その叫び声はまた聞こえました。
すぐボタンを押してその声を消しました。
次は大丈夫と何回か同じやり取りを繰り返しましたが、墓地を抜けると不思議と聞こえなくなりました。
その頃は不思議だなぁとくらいにしか思っていませんでしたが、何故あのような声が聞こえたのか気になったので高校生の頃ネットで調べてみました。
するとその小学校の前の池は過去50年間で合計32人が溺死しているという噂があるらしく、モンペ姿の男女に手招きされてついて行くと気がつくと池の中にいて溺れているということも語られていました。
もしかするとその時亡くなった方の霊がトランシーバーを通じて僕たちに何かを訴えてきたのかもしれません。
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