廃棄

よく道端にあるゴミ捨て場って、
木の板とかで簡易的に区切られてて、
鳥獣除けの青か緑かのネットが取り付けられてあって…みたいな感じですよね。
そこに袋に詰めたごみを置いて、ゴミ収集車に回収してもらうのを待つ。
で、大抵は問題なく回収してくれるんですが、そうじゃない場合──
例えば分別されてなかったり、捨て方の規則に従ってなかったり。
そういうゴミは、「回収できません」みたいな張り紙を貼りつけられて放置されるか
家の前に置かれるかされると思うんですよ。

そんな放置された袋を見るたびに、思い出して嫌な気分になるんです。

確か、2か月くらい前だったと思います。

私はその夜も変わらず、家まで続く一本道をとぼとぼと歩いていました。
その路地はけっこう民家に面していて、路地の奥にゴミ捨て場があるんです。
だから、回収日にはそれなりの量のゴミがゴミ捨て場に置かれるんですよね。
で、それだけゴミの量があれば、さっき言ったような回収不可能なゴミもたまーに出てくるんです。
張り紙がされて放置された袋を、帰りがけにはよく見ていました。

だから、あの日も、
気に留めずそのまま帰っていれば、
何事もなく済んだんですけどね。

それはゴミ捨て場にそのまま放置されていました。
私の家は路地の奥、つまりゴミ捨て場の近くにあって、家を出るとき、帰ってくるときには目に入るんです。
最初は、ああ回収されなかったんだな、みたいな気持ちで、特に何も思わなかったんですが。
かすかに明かりに透けて見えた袋の中身が、いつもとは違ったんです。
いつもは、分別されてない大きなゴミ袋、捨て方を間違えたスプレー缶や電池、
そういったものが放置されてるんですが。
その袋はただ一つの物を内容しているような様子で、
ボール状の物体が収められていたんです。
そんなゴミ袋見たこともなかったから、
どんなものが入っているんだろう、なんで回収されなかったんだろうと、
好奇心がわいてしまったんです。