みぃちゃん
投稿者:幽丸 (1)
これは私が、小学生だった時の話です。
私はひとり遊びが好きで、俗に言うマイペースでした。田舎だったこともありまして、祖母から貰ったデジタルカメラを持ち探検をしては、写真を撮ると遊んでいました。
ある日いつものように探検をしていると、見たことの無い道を見つけました。そこはけもの道で、道も狭かったのですが、子供で小柄なこともありすらすらと奥に行くことができました。
奥に入ってみると、そこはガラクタ山でした。私の住む田舎では、ガラクタ山はよくあるのですが、今回のは大きかった事もありとても興奮したのを覚えています。
ふと、下側を見ると、西洋風の人形が置かれてあることに気がつきました。こんなとこにこんな人形があるんだ、と物珍しさに持ち帰ってしまいました。友達が少なかったため、その人形に今日あったことを話しては遊んでいました。
それから数日後、唯一の友達であるAちゃんと私のお家で遊ぶことになりました。みぃちゃんはいつも椅子に座らせているのですが、ふと思いついてみぃちゃんを寝室のベッド髪だけ見える状態で寝かせました。
遊びに来たAちゃんに、寝室のドアを少し開け
「今妹が寝てるの、みぃちゃんっていうんだよ」
と言ってみせました。
当時の私は妹が欲しかったので出来心でそんなイタズラをしたのです。
少ししか見てない人形の頭を見たAちゃんはその事を信じてくれて
「そっか、じゃあ静かに遊ばないとね」
と言ってくれました。
本当に妹ができたような気がして、私は嬉しくなりました。
Aちゃんが帰る時、玄関まで見送ろうと靴を履いていると、先に外に出ていたAちゃんが
「あ!みぃちゃん起きたんだね」
と寝室の窓の方に手を振っていたんです。
私は、えっ?と思い窓の方が気になりましたが、何だか見てはいけい気がして
「そっかー」
と言いました。
その後Aちゃんが帰り1人になった途端、なんだか急に怖くなり、寝室のドアから恐怖がどくどくと出てくるような気がして開けられなかったんです。その時両親が家に居なかったので、帰ってくるまで寝室には入りませんでした。
そして、帰ってきた母親に一緒に寝室までついてもらうと、みぃちゃんは
私が寝かせた状態と変わらない状態で寝ていました。
Aちゃんが人形だと気づき、からかったのか、それとも本当にみぃちゃんが動いたのかはわかりませんが、未だにみぃちゃんは私のクローゼットの中にしまってあります。
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