誰もいないトイレ
投稿者:Wagn (1)
それは、2003年か4年ぐらいの時のお話です。
私が以前勤めていた会社は、自動車の半導体を製造していました。
現在も半導体不足で、自動車関連の半導体不足は深刻ですが、このお話の時も同様に鬼の様な忙しい状況でした。
どの自動車も色々なセンサーを付ける様になったので、
様々な自動車メーカーに様々な部品の半導体を毎日毎日、自転車操業の感じで働いていました。
その結果、私の様な製造業の従業員以外でも開発系の社員も日々徹夜状況で働いていたと思います。
そして、マイナーチェンジ、モデルチェンジの度に半導体のチップの性能も向上しなければ成らない。
一枚のウエハ(半導体のチップが沢山付いている丸い板)から良品をどれだけ取れるか日々対応に追われていたと思うのです。
そして、高負荷の職場で良くある鬱状態に、大なり小なり従業員はなっていくのです。
鬱の従業員が一人なら目立つのですが、あちらにもうちの班にも鬱の様な従業員がいれば、鬱が普通になってしまう。
そんな私も当時は、鬱状態だったと思います。
なぜなら、重度の不眠症と体重が15キロ以上も減ってしまいました。
健康診断で、異常を指摘されたので大きな病院で見てもらいましたが、結局今でも体重は50キロ代に戻らなくなってしまいました。
ですから、当然、こんな異常を異常と感じなくなった職場。
突然、失踪する従業員もいました。
捜索して見つかれば良いのですが、残念ながら自ら命をたってしまう方もいるのでした。
そんな異常な職場環境で、私が3組2交代の夜勤を行っていた時にそれは起きました。
午前3時前、ちょっと早めに休憩をとっていました。
「トイレに行きたい!」
私は、疲れて半分頭がボーっとした状態でトイレに入りました。
トイレは、入り口に手洗いが5つ。
3つ目の洗面台の向かい側に通路が有り、そこに手前から小便器。
奥に大便器が並んでいました。
小便器は、通路を隔てて両サイドに5つずつ。
私は、通路に入って右側の小便器に駆け込みました。
「ふぅ。」と一息付いて、通路を隔てた左側の小便器から「ジャー、ジャジャ、ジャー。」と水が流れる音。
「うん?」
誰かいたのか?
いや、おかしい?
頭がボーっとしている私でも気付いたのです。
人感センサーって何げに怖い。
不良品になった半導体でセンサーを作ってるのよ。コスト削減よ。
誰もいないトイレの話が、めちゃめちゃぐちゃないい話たっだけと、この話のいいマンションは、とこにありますか。質問。
怖いです!これは。
怖い