はしゃぎすぎた夜
投稿者:ヒヨドリ飛んだ (1)
中学生時代の話です。少し夜遊びを覚え始めた仲間数人で、肝試しに近所のお墓に行くことにしました。お寺の敷地の中にあるお墓です。そこはとても静かで、暑い日だったはずなのに、その場所はとても涼しく感じたのを覚えています。
お寺に入って,目的地のお墓までの道は約700m。私たちははしゃぎながら歩いていました。ひとり霊感がつよいAを除いては。
お墓についてからは、予定通りに怪談話をすることに。メンバーの4人は順番に自分のとっておきのお話をすることにしました。
私が披露した怪談話は,まったくの創作話です。確か寂れた雑居ビルで起こった殺人事件,その後に殺害された被害者の霊が深夜に雑居ビルの窓から助けを求める声がする。という物です。
私は仲間たちがとても怖がっている顔を見て非常に嬉しかったです.単純に自分の創作した話が受け入れられたという事から承認欲求が満たされた。と感じていたと思います。
ふと、Aの顔を見るととても真っ青になっていました。怖がるにしてもあまりに酷い顔になっていました。Aの顔を見ながら不思議に思っていた矢先、Aは気を失いました。
仲間全員で「大丈夫か?」と声をかけたその時にAが「助けてくれ。俺は何にも死なないんだ。本当だ。俺を殺してもなんの目的も達成しない。」と急に叫び出したのです。
あからさまなAの豹変ぶりに仲間全員でAを呼び続けました。ようやくAは意識が戻り何事もなかったようにしていました。
仲間全員がこの状況はまずいと一目散にお墓から離れました。
その後特に仲間全員の異変が起こることはありませんでしたが,もう誰も次回の肝試しの計画を立てる人はいませんでした。
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