おじいちゃん、帰ってきたよ
投稿者:H_Go (1)
私が社会人1年目に祖母の家で経験した出来事です。
私は高校卒業後、地元から飛行機で1時間半という離れた土地の大学に通っていました。
ですので、在学中に祖父が突然倒れ危篤となり、亡くなった際にもすぐに駆け付けることができませんでした。
やっと手を合わせることができたのは、火葬が終わり、骨となった祖父に対してでした。
それから数年後、社会人となり地元に戻った私は、ある時祖母の家に泊まることになりました。
寝る場所は、亡くなった祖父のベッド。
その隣には祖母が寝ていました。
夜中、突然目が覚めたと思ったら、私は金縛りに遭いました。
体が疲れた時に金縛りが起こるのはよくあることだったので、冷静にゆっくりと呼吸をして解かれるのを待とうと思ったところ、頭の中に声が響きました。
「ねえ、起きて。おじいちゃん帰ってきたよ。」
それは祖母の声でした。
私は「え?本当に?」と一瞬思ったのですが、すぐに「そんなはずはない」と思いました。
金縛りもあったので、声を無視していると、再び声が聞こえました。
「ねえ起きて、おじいちゃんが帰ってきたんだよ。」
しかしよく聞くと、それは祖母の声ではありませんでした。私が無視し続けていると、語気は強く、声が荒くなりました。
「ねえ!おじいちゃんだよ!帰ってきたんだよー!」
私は、これは祖母の真似をした、この世のものでない者に話しかけられているのだと確信し、とにかく無視しようと決めました。
すると、声は激高し、私は顔の前にとんでもない圧と影を感じました。その者は、私の顔に向かって叫んでいたのでした。
「ねえ、おじいちゃんだよーーーーーー!!!!!!」
私が心の中で「やめて!」と大声で叫んだとたん、金縛りは解け、体が動いていました。
目を開けると、すやすやと寝息を立てて眠る祖母が横にいるたけでした。
朝、祖母にその話をすると、「おじいちゃんが会いに来てくれたんでしょう」と、あきれたように言いました。
ですが私は、祖母でも祖父でもない、なにか異様なものがあの家にはいる気がして、
それ以降、祖母の家に寝泊まりすることはしなくなりました。
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