夜になると現れる男
投稿者:おめざ風 (1)
大学生の時の話です。私は当時、築年数の古いアパートで独り暮らしをしていました。貧乏学生だったので、少しでも生活費を浮かせたくて安い家賃の場所を選んでいたのです。設備は古いもののそこまで不便もなく快適に過ごしていました。
ところが、住み始めて約1か月が過ぎたころ、私は毎日金縛りにあうようになりました。最初は疲れているのかなと思っていたのですが、あまりにも連日続くのである日思い切って目を開けてみることにしたんです。
思い切って目を開けてみると、そこにはドアップの男の人の顔がありました。私はあまりの恐怖で心の中で叫びすぐに目を閉じました。
「このまま寝よう。」と心の中で念じていると、耳元で「やっと気づいてくれたね。」という声が聞こえたんです。
次の日、あれは夢だったのかもしれないと思いなおし、次からは金縛りにあっても絶対目を開けないと決めました。
そして、その日もやはり金縛りにあいました。このまま朝までやりすごそうとしていると、指に何か違和感がありました。誰かが私の手に触れていたんです。
怖くて怖くてぎゅっと体に力を入れていると、私の指を一本ずつ開いていくんです。全部の指を開くと誰かが私の手を握りました。
その後、胸の上に誰かが乗り私の顔を覗き込んでいる気配がしたのですが、心の中で「ごめんなさい!」と叫ぶといつの間にか朝になっていました。
翌日、たまりかねて大家さんに話に行くと、実はあの部屋には若い男性が以前住んでいたらしいんですが、彼女に振られたショックで引きこもりになり、その後田舎に帰ったんだそうです。
亡くなってはいないので幽霊ではないのかもしれませんが、彼女への想いが思念となって部屋に残ったのかなと思います。
その後、すぐに引越しをして今は平穏に過ごしています。
投稿者様がてっきり男性かと思いました。