それは落とし物だった
投稿者:ぴ (414)
私がその落とし物を拾ったのは、学校のトイレでした。
小ぶりの花のピアスみたいなものがそこに置いてあり、優等生だった私は担任の先生にそれを引き渡したのです。
そのときの担任の反応がおかしかったです。
思いっきりひったくられるように取り上げられて「これどこで見つけたの!?」と問い詰められました。
私が場所を教えると、先生は一瞬立ち眩みをしたように倒れかけてびっくりしました。
そして私の前から足早に去っていきました。
翌日私は教室で、落ちているノートを見つけたのです。
読んでみると壮絶な苛めの内容が書いてありました。
本当に口にしてはいけないような酷いいじめの内容で、読んでいて気分が悪くなるほどでした。
私は途中で読むのが怖くなって、また担任の先生に渡したのです。
そのときはノートを渡しただけでしたが、その日の放課後に職員室に呼び出されて、また担任に日記がどこに落ちていたのかとしつこく聞かれました。
教室だというとそれっきり担任は何も言わなくなり、私は職員室を後にしたのです。
それから一週間、担任は私の目から見てもおかしなくらい急激に痩せていきました。
クラスでも「どうしたの?」と噂されるくらいにその痩せ方は異常でした。クラスメイトも気味悪がっていました。
先生は病気なんじゃないかと囁かれた頃だったでしょうか。
突然集会が開かれて、担任の先生が亡くなったことを知ったのでした。
当時はそれが自殺だということは表沙汰にはなりませんでしたが、ひっそりとその噂は流れました。
そして自殺した場所に、花柄のピアスがあったことも噂で耳にしたのです。
それが自殺に関わっていると噂されていましたが、それが誰のものなのかは分からなかったみたいです。
きっとそれが私が拾ったあのピアスだということは私以外に誰も知らないでしょう。
実は担任の先生が亡くなる前に、クラスメイトが一人自殺しているのです。
その子は明るくて、とても派手な子でした。
私は思うのです。私があの日拾った落し物はもしかしたらその子の持ち物だったのではないでしょうか
そしてその子の自殺にもしかしたら担任の先生は何か関わっていたのかもしれません。
日記はその後どうなったかは知りません。
もしあの日記をしっかり最後まで読んでいたら、私は真相が分かったのかもしれないです。
まあもうすべて遅いし、それを知ったとしても私には何もできなかったと思いますけどね。
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