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心霊

シアさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

視えたら視えた時に考える
短編 2023/01/15 23:30 880view

大人になってから、霊感がある事がわかりました。元々母方の一族が霊感があるらしく、私が知らなかっただけで普段から視えてる親戚は多く、特に強い力を持っている親戚は守護霊や死んだ人と対話も出来るので、副業で霊媒師をしています。

私が霊感を自覚したのは、風俗街で働きだした事がキッカケでした。江戸時代まで遡ると花街として今も続く界隈なのですが、欲の強い場所に留まるものは多く、色んな時代の色んなおばけや幽霊が存在する。そんな場所で働いて元々霊感の素養があったら、嫌でも能力開花するわと親戚に笑われました。

強い力はないし、幽霊の類は視えない、聞こえないのですが、稀に波長が合う幽霊は視えるようになりました。上半身だけだったり、白いもやが影のように動いて視えたりします。

お化け屋敷は怖いし大嫌いなのですが、不思議と本物は怖く感じません。お化け屋敷は恐怖心を煽り大きな音で驚かせてきますが、本物はそれが無いので、こちらに実害が無ければまぁいっかと思っていました。

一昨年の夏、実家の階段に、恐らく女性だと思うのですがふくらはぎから下の足だけ、ふわっと視えるようになりました。足はそこから動かず、何もしてこないのでずっと放っておきました。

変化があったのは、半年後の去年の2月の事です。
最寄駅から家へ帰るため信号待ちをしていると、突然足を絡め取られて、ガードレールに頭を強打し、意識が飛びました。

気が付くと救急車に乗せられて、病院へ運ばれる途中でした。精密検査をしても何も異常がなく、心臓や頭の病気を疑われましたが、それも何もなく。

過労による蓄積と貧血という診断で落ち着き、退院してから親戚に相談しました。

すると、どうやら実家にいる白い足の女性が私に気付いてほしくてやった事がわかりました。
親戚に通訳をしてもらうと、成仏したいけどやり方も方法もわからなくて困っていたら、波長が合うし何とかしてくれそうな私を見つけて、アピールしていたそうです。

半年前から気付いていたのに、それは申し訳なかったなぁと思い、親戚に頼んで成仏できるよう手配してもらいました。
怪我をさせてごめんなさいって謝ってたよと言われて、確かに痛かったけど、気付いてるのに無視されるのも辛かっただろうと思うので、痛み分けだと思っています。

ただ親戚には「誰にでもそんな風に心を寄せてはいけない。力が強い訳では無いし、全員助けないといけなくなる。その度に怪我をさせられたり、数も多くてきりがない。心の優しさにつけ込まれて、日常生活が困難になるよ。」と言われました。
優しいかどうかはわかりませんが、確かにきりがないし途方もない話ではあります。
実際、今回は痛い目にあっているので、今後視えても不安や違和感を覚えたら親戚に相談してみようと思います。

子どもの頃に霊感があっても、大人になるつれ霊感は閉じる事が多いそうです。でも私は大人になってからなので、不思議なものだなと思いながら日々過ごしています。

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