どこまでもついて来る男性の話
投稿者:みぬえっと (1)
私は当時通信制の高校に通っており、通学日数は週に数日だけでした。特別勉強ができるわけでもなく、特にやりたいこともない…けど遊ぶお金は欲しい!と思った私は、友達から紹介された派遣会社で日雇いのバイトをすることにしました。
いろいろな業種を経験して慣れてきたところで、だんだんと時給のいいバイトを探すようになりました。
有り余った時間と、なぜかやる気だけは人一倍あったので、力仕事をすることに。体力勝負なので8割くらい男性の職場でしたが、それなりに楽しく仕事をしていました。
日雇いのため毎日同じ場所で仕事があるわけではないので、2、3件の倉庫を回っていましたが、ある時、何度か行ったことのある倉庫が1か月くらいの期間働ける人を募集していたため、とにかく暇でやる気のあった私はそこで働くことに決めました。
特に仲のいい人もできず、挨拶か、せいぜいどこから来たんですか~くらいの当たり障りのない会話をする程度の関係の人しかいないまま2週間ほど経過しました。
書き忘れましたが、当時ド金髪でロングネイルというおよそ力仕事をしに来た人間には見えない見た目だったため、今思えばむしろあまりいい印象を持たれていなかったまでありますね。
この過酷で孤独な日々も残り半分か、と思っていたある日の仕事終わり、20代後半くらいの男性に話しかけられました。
まあよくある世間話程度だろうと思い、疲れていた私は適当に返答していたのですが、なかなか会話を終わらせてくれません。
こういった倉庫は駅から遠い場所にあるため、送迎バスが用意されていることが多いのですが、バスでも隣に座ってずっと話しかけてきます。
最寄りの駅に着き、やっと解放されると思ったのですが、帰りが同じ方面だったようで電車内でもずっと話しかけてくるのです。
ついには「ライン交換しよう」と言われ、半ば無理やり交換させられてしまいました。
まあどうせ派遣の人だから今後会う可能性も低いだろうと思い、後でブロックすればいいか…と考えていましたが、「今度〇〇(飲食店)に一緒に行こう」などと何やら勝手に盛り上がっています。
なお、ここまでの間で1回乗り換えをしていますが、偶然なのか降りる駅が同じなのです。
ちなみに当時私が住んでいた家は少しマイナーな駅の近くだったので、もう一度乗り換えをし、その隣の駅が私の降りたい駅でした。
そして運命の乗り換えの時が来ました。ここまで帰路が同じだったのはせめて偶然出会ってくれ、と思っていました。私がここで降りますね、と引きつった顔で言った瞬間…。
「じゃあ俺もこの駅で降りるね!!!(*^^*)」
…恐怖でした。じゃあってなんだ。
当時高校生だった私は、どうすればいいか分からず、とりあえず家の場所が知られるのはまずい、と思い、最寄り駅のひとつ前の駅でそのまま改札を出ることにしました。そこで何か理由をつけて別れなければ…と思い、普通に歩けば徒歩20分くらいの距離を、できるだけ家に近づかないよう、ぐるぐると遠回りをして歩き続けました。
あたりはとっくに日が暮れていて薄暗い中、延々よく分からないことを言ってくる男性と一緒にぐるぐる…ぐるぐる…。もう騙すのも限界かと思われたその時、私はこういった時の最強ワードを思い出し言いました。
「遅いから今からお父さんが迎えに来てくれるって」
何気ない一言に見えますが、「お父さん」 というワードはナンパ師に大ダメージを与えることができます。
「お父さんと待ち合わせしてる」「今からお父さんと会う予定がある」などシチュエーションによって応用も効きます。
この言葉を発したが最後、あんなにしつこかった男性は焦りまくり無事別れることができました。これでやっと安心して帰れる、そう思った時、去り際に男性は言いました。
「派遣の人でしょ?俺正社員だから、また会えたらいいね(*^^*)」
次の日、私は初めて仕事を無断欠勤しました。というか、残り半月ほど働く予定だったのに全て欠勤しました。
おかげでその派遣会社はめでたくクビとなりました。〇〇倉庫の〇〇支店の方、派遣会社の方、その節は大変申し訳ございませんでした。
以上、私が悪質な付きまとい行為で辞めることになった会社、3社目の話でした。
会社に事情を話せば良かったのに
リアルでシンプルで最高に怖い話だった。
若いからどうすればいいか分からなかったかもだけど、とりあえず派遣元の営業か派遣先に一言連絡して辞めれば良かったかもね
w