おじいちゃんが会いに来た…？

私が中学生3年生だった頃の話です。

2月に大好きだった祖父が亡くなり、四十九日のため祖父母の家に行っていました。私はおじいちゃんっ子だったので、祖父が亡くなった事実がまだ受け入れられず悲しい思いをしていました。

リビングで一人、おじいちゃんとの思い出の写真を整理していると、何かがガサガサと音を立てて動きました。目を移すと、そこには茶色のネズミが……。今思えばハムスターのような可愛らしいネズミだったのですが、私は都会育ちでネズミを見たことがなかったので、ビックリしてしまい悲鳴を上げて母親を呼びました。母親と祖母がすぐに駆け付けてくれたのですが、私の声にビックリしたのかネズミの姿がありません。

しばらく母親と祖母が部屋を見てくれましたが、ネズミはいませんでした。祖母は「家でネズミなんて出たことがない。見間違いじゃない？」と。

それから一時間後、また一人でリビングにいるとガサガサ音がしました。目線を移すとやはりネズミがじっと私を見ていました。私はまた、悲鳴を上げて部屋を出ました。再び、母親と祖母が駆けつけてくれて、部屋を隅々まで見てくれたのですがネズミはいません。

ただ、もうリビングにいることにうんざりしていたので、私は祖母の部屋に避難することに。もう安心だろうと祖母の部屋に入ると、同じネズミが部屋の隅でチョコンと仁王立ちしていました。すぐに祖母の部屋を出て、祖母と母親に部屋を見てもらいましたが、結局ネズミはどこにもいませんでした。今思えば、あれは祖父が私に会いに来てくれていたのではないか…と思っています。会いに来てくれた祖父に悪いことをしてしまいました。