2000年代の中頃、当時中学生だった私の不思議な体験です。
ある夏休みの夕方、友達3人と当時通っていた学校に自転車で集まり、近所にある公園まで肝試しに行こうと計画しました。
私を含め4人で公園の駐輪場まで向かい、そこからは1人づつ徒歩で公園内へ。
入り口から奥の方にある丘を登り、昔のお城の跡地になっている森のエリアで一番の心霊スポットである冥碑をガラケーで写真を撮り戻ってくる。というものでした。
私は3番手。1人目が余裕な表情で帰ってきて写真を皆に見せました。
暗くて見えづらいですが ロの字型の杭の内側に3つの冥碑、そのすぐ近くに平らな台座に乗った1mほどの岩が写っていました。
2人目が向かっている間は自販機で買ったジュースを飲みながら待機してました。
1500年頃の合戦での戦死者を祀ったものだとか、その家族が戦死者を弔いに来た時に傍にあった岩にもたれて泣き崩れていたとか、その地に伝わる話を聞いていたので、冥碑よりも岩のほうが怖いなと感じていました。
2人目が足早に帰ってきて「暗いし足元悪いしだるかったよー」とか言いながら少しビビりながらも撮ってきた写真を見せてきました。
1人目と同じ様なアングルで、画面の左側に冥碑が3つと、その手前側に岩が写っていました。
「何も写って無いねー」という手応えの無さに、皆少し面倒くさくなってきてる中、次は私の番。
正直 薄暗い木々の中を1人で進むのは怖かったけど、ササッと終わらしてやろうと速歩きで向かいました。
入り口から200m程進むと、土塁のような丘があり、その上に例の冥碑がありました。
到着すると、手前側に冥碑が3つ背中を向けてその奥に岩がありました。
うわ、あいつら見えやすい様にわざわざ回り込んで写真撮ったのかと気付きましたが、早く帰りたかった私はフラッシュ撮影で冥碑の後ろ側を撮りそそくさと皆のところに戻りました。
皆に写真を見せると、1人目2人目が、「え、なんで後ろ側に回って撮ってんの？」と聞いてきましたが、到着した時点でこの位置だったから、すぐ撮って帰ってきただけだよと言い、この2人がどんなルートで向かったか気になりました。
最後の4人目が出発した後、最初の2人にルートについて話していました。
道を真っ直ぐ進んだ先に大きな桜の木があって、その左手側から先に丘を登って向かうのか、
桜の木を通り越し、冥碑の手前まで来たところで丘を登りきるか、4人目がどちらで進むか予想しながら待っていると、
4人目が猛ダッシュで帰ってきて、「なんか泣き声みたいの聞こえた！一旦学校戻ろーぜ」といい急いで自転車にまたがり漕ぎ出しました。
他の2人も勢いに任せてついていき、「おい写真撮ったのかよ、見せろよー」と言いながら追いかけていきました。
私はスタートが遅れて最後尾を走りながら公園から学校までの坂道を進んでいると、T字路からパトカーが出てきてしばらく着いて来る形になりました。
中学校へ続く曲がり角に入ったあたりでパトカーに呼び止められ、お巡りさんに補導される羽目に。
既に夜10時を回ってしまってました。
お巡りさんが私に一言「後ろに乗ってた子もすぐに帰すようにね」と。
1人1台ずつで来ていて誰も2人乗りなんかしてません。何のことかさっぱりわからず何も言い返せなかったのですが、お巡りさんには謎の5人目が見えてたみたい。
その日は解散し、後日4人目の写真を見せてもらうと、最初の2人と同じく桜の木を左手に丘を進んだ道のりで、手前に岩、奥に冥碑が3つ写っていました。
私だけが違うルート、違うアングルで到着したことと関係があるのでしょうか。憑いてきて来てしまったのかもしれません。
2000年代の中頃。
いつの事でしょうか。