夢女
投稿者:風和 (1)
これは、私が25歳の時に経験したお話です。
私は、9時から会社へ出勤し、17時半に帰宅するというごく平凡な日々を過ごしていました。
夕食を済まし、お酒を嗜みながら寝落ちするというのが日課で、その日もリビングのソファーで寝落ちをしてしまい、眠ってしまいました。
私は、良く夢を見る事が多く、その日もごく普通な夢を見ていたと思います。
しかし、その日の夢には全く知らない女性が現れました。私が歩いていると必ず前からゆっくりと歩いて来て、すれ違うと同時に何かを言ってくるのですが、何を言っているのかはわからず、すれ違ったと同時に目が覚めるという非常に気持ちが悪い夢でした。
あれはなんだったんだろうとモヤモヤしながら、丁度1週間位たった頃、またあの時と同じ女性と違う場所ですれ違う夢を見ました。
場所は、どこかもわからないが、前回とは違う場所ですれ違ったってのは間違いなく、以前言っていたのと同じ何かをつぶやいていました。
女性の容姿は、髪の毛が長く、顔もあまり見えないが黒いロングコートを着ており、ヒールを履いており、コツ コツ とゆっくりあるいており、何か不気味なオーラを漂わせた人でした。
私は、たまたま同じ夢を見たんだろうと思い、あまり考えずに過ごしていました。
だが、翌日から毎日毎日その女性が夢に出てきて、場所は毎回違うのですが、何かを私に言っているのは間違いなく分かりました。だけど何を言っているのかは聞こえません。
私は、流石に怖くなり、霊感のある友人に相談しました。事実なのかはわかりませんが、何もついてないよと言われて
疑心暗鬼ではありますが、玄関に盛り塩を置く事にしました。
その日は夢に出てこず、ふと力が抜け安心して2度寝をしてしまい、会社へ遅刻してしまい、その日は残業する事になりました。
丁度20時を回った頃でしょうか。仕事を終え、電車に乗り、家の近所の裏道を歩いていました。
そこは、人気もなく街灯が1つしかなく一人で歩くのは不気味な場所です。
いつも通り、歩いていると前から女性が歩いてきて、こんな暗闇を一人で歩くなんて危ないなぁなんて思いながら歩いていると、コツ コツ とヒールの音がします。
私はまだ気づいていませんでした。すれ違う3メートル位の所で、ようやく気づきました。
夢に出てきた女性と全く同じってことを。
体も止まることなく、そのままその女性とすれ違いました。
私はあの時見たもの言われた言葉はあまり思い出したくありません。
あの女性は私の顔を見て言ったのです。
(次はお前だ)
あの後の事は良く覚えていません。
後日、近くの某有名なお祓いへ行きました。
霊媒師曰く、生霊がついてたとの事でした。だが、お祓いする前から生霊は取り除かれていたと。
あの日、私が見た女性は、20歳の頃付き合っていた女性でした。身寄りもいなく、いつも1人でいるような子でしたが、私の都合で突き放し別れてしまったのです。
多分そこからずっと恨んでいたのでしょうか。
私は、ただただ謝りたいと思い、その女性の知人の連絡先を聞こうと思い連絡しました。
だが、3日前に亡くなったよと。一言だけ言われました。
その3日前とは、私が夜すれ違った日と同時刻ぐらいに、マンションの9階から飛び降りたとの事でした。
だから霊媒師は、もう生霊は取り除かれていますよ。と言ったのでしょう。
ホントに成仏することを願います。