小さかった頃に見えたもの
投稿者:ミゼー (1)
短編
2022/11/29
07:35
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私が小さかった頃、親と買い物帰りに道を歩いていると道路横に白い人が見えたことがありました。親にそのことを伝えると何も見えないと返事が返ってきました。
でも私には確かに、白い人が上に登っていく様子が見えるのです。自分でも不思議に思いました。
翌日、町内会のお知らせが入り、白い人が見えたところでお葬式の準備をすることを知りました。
他の時にも、葬儀場の近くを車で通った際に白い影が見えたことがあったので、自分でも葬式と白い影は関係があることをうっすら感じていました。
また、別の機会に肺炎で入院した祖母を見舞うため病院へ行ったところ、病院の上の方に白い雲が厚くかかっているのが感じられました。でもその周りは青空なのです。ここだけ曇っていることを不思議に思いました。運転している親に言っても、見えないかもしれないと直感的に思ったことを覚えています。
大人になった今では、もう病院の前を通っても、そこだけ白い雲がかかっている風景を見ることはありません。あれは、親戚だったり、同じ町内や近くに住む人の命の消え掛かった影を敏感に感じとったから見えたものなのかと思います。自分では怖いと思わないのですが、人に言うと怖がられることが多いので、心の中にしまっておこうと思います。
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