目玉
投稿者:禰凜42 (3)
これは私の人生の中で起きた不気味な出来事です。
始まりは小学5年生の夏でした。
祖母と共に、海沿いにある遊園地へ行った時のことです。
遊園地へ行く前に私は海を見たいと言い、祖母と共に磯へ行きました。
すると、磯の岩の間に、黒っぽいゼリーに包まれた人間の目玉が落ちていたのです。
オディロン・ルドンという画家が描いた目玉の絵がありますが、あれにそっくりな、充血した目玉でした。
私は驚き、すぐさま祖母を呼びました。
しかし、祖母が駆け付けた時にはもう何もなく、私の見間違いだろうということになりました。
その後、遊園地へ行くと、子供会で遊びに来ていた近所のMちゃんと、Mちゃんのお父さんに出会いました。
こんな偶然あるんだねと二人で言い合い、私と祖母も子供会に混ぜて貰いました。
その年の冬、Mちゃんのお父さんが亡くなりました。
表向きは病死ということになっていましたが、自殺だったそうです。
夏に会った時はあんなに元気だったのにね、と祖母と言い合いました。
私が初めて見た、近しい人の死でした。
2度目は、私が大学2年の冬でした。
都内某所でひとり暮らしをしていた私は、ある朝日課の散歩がてら、近所の公園を歩いていました。
すると、空に黒い球体が浮かんでいるのが見えました。何かなと思って目をこらすと、黒い瞼のような丸に包まれた巨大な目玉でした。
私は目を疑いました。しかし、謎の目玉は瞬く間に消えて、後には晴れた青空だけが残りました。
寝ぼけて変な物が見えたのかと、その時は思いましたが、不気味な出来事は続きました。
その年の春、私の住む学生マンションの向かいのビルから、若い女性が投身自殺をしたのです。
私は運悪くその場に居合わせてしまい、後頭部と耳から血を流して横たわる死体を見てしまいました。今でも夢にみます。
私の人生において、時折現れる目玉は、誰かの自殺を暗示しているように思えます。
偶然かもしれませんが、あまりに不気味なので話させて頂きました。
3度目がないことを祈ります。
いつの間にか気が付かずに取り憑かれたとしか思えない。