奪い愛
投稿者:ぴ (414)
どうしても好きでたまらない人がいて、その人を手に入れたくて仕方なかったです。
どんな汚い手を使ってでもいいから、相手に振り向いてほしいし、彼女から奪いたいと思っていました。
自分でも病的なほどにその人に夢中になっていたと思います。
なんならここまで好きにさせてしまう相手がむしろ怖いとさえ思うくらいでした。
それくらいに魅力的な人を私は心から好きになりました。
その人と出会ったのは、趣味のコミュニティで参加したコンパなのです。
その日くったくたになるまで働いて、コンパでぐっだぐだになるまで飲んでしまいました。
そしたらその参加者の一人がすごく優しく私を介抱してくれて、それがきっかけで仲良くなったのです。
ちょっぴり抜けたところはある彼でしたが、そういうところも含めて好きになりました。
私の仕事の愚痴も文句も言わずに聞いてくれたし、本当に穏やかで、優しくて、素敵な人だったのです。
そんな彼に恋人ができたと知ったのは、知り合って半月も経たない頃でした。
コンパ後も交流があったので、てっきり彼のほうも私に気があるのではと都合よく解釈してしまっていました。
そして余裕ぶっていた私は横から狙っていた人を搔っ攫われてしまったのです。
彼の恋人は私よりも2~3歳くらい若い子らしくて、彼はしきりに恋人の話をしてくれました。
きっと悪気はなかったのでしょうけど、私は辛くて仕方なかったのです。
友達を誘ってのやけ酒も増えました。
そこで友達に「そんなに好きなら、奪っちゃえばいいんじゃないの?」と言われ、闘志を燃やすことになりました。
まず手始めに彼の恋人のことを調べようと思ったのです。
その矢先に、私の携帯が鳴りだしました。
非通知で知らない人から電話がかかってきたのです。
普段の冷静な私なら詐欺か何かと思って出ないのですが、その日はなぜか電話を取ってしまったのです。
すると彼の恋人だと名乗る人から電話がありました。
まさか向こうから電話がかかってくるなんて思わなかった私はつい怯んでしまいました。
そしたらまるで宣戦布告のように向こうから「私の恋人に手出ししたら許さないから」と言われたのです。
突然攻撃的なことを言われて、びっくりしました。
こっちも応戦する準備はありましたが、あまりに突然すぎて何も言えない私に無情にも電話は一方的に切られました。
少しの間放心状態だった私ですが、この恋人からの電話にだんだん闘志が燃えてきました。
そっちがその気ならこっちだって奪ってやると、より一層燃えたのです。
そっから彼の恋人との彼の奪い合いが始まりました。
彼から電話があり、恋人と一緒にショッピングに行った話をされました。
ひきこまれました。文章もうまいです。