誰を呼んでるの?
投稿者:まさまさぴょん (2)
これは私が高校生の頃。高校入試が行われるからと学校も部活も休みになった平日の昼間、友人に誘われて出かける事になった時の出来事です。
3月でまだ少し肌寒い日だったのと少し風邪気味で頭がぼうっとしながらも、せっかくの休みだからどこかに行かないなんてもったいない、と思い、友人からの連絡に二つ返事で出かける用意をして家を出ました。
私の家からバス停に向かう15分ほどの道の途中には、両脇がたくさんのお墓に囲まれた墓地を通らなければならず、学校帰りの遅い時間に通るのは嫌だと引っ越したばかりの頃は思っていたものの、毎日その道を歩かなければ通学も出来ないので段々と怖さを感じなくなっていました。
いつものようにバス停に向かって歩いていると、墓地から車道に出る少し小さな道におばあさんと小学生くらいの男の子が見えました。
今日は平日なのに小学生がいるなんて珍しい、と思いながら少しずつ2人に近づいていくと、おかしな事に気づきました。
さっきまでいた男の子が私が車道側に向かって歩いていく中で突然いなくなっていたのです。
まっすぐ前を見て歩いていたのでその子の事を急に見失うはずがありません。
ぼうっとしていたので子供を見たのは気のせいなのかと思っていましたが、おばあさんはその子がいなくなった後もずっと手招きをしています。
これはあの子の事を呼んでいるんじゃない、自分に向かって手招きしているんだとおばあさんとの距離が100mを切った頃ようやく気付き、慌てて家へと引き返しそのまま友人との約束をキャンセルしました。
あれは風邪気味の私が見た幻だったのか、それとも実際にこの世の人間ではない人から呼ばれていたのか。
5年以上が経った今でも分からないままです。
なるほど・・・死の國へ呼ばれていたんだな。